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リサイクルに関し、マスコミ・メディアの影響により最近多く寄せられるご質問特集

使用済みPETボトルは、分別回収される量と、家庭や事務所からPETボトルの形をしたままごみとして捨てられる量はどちらが多いのですか?

使用済みPETボトルの約3分の2は回収されています。

<解説>

  1. 1)PETボトルリサイクル推進協議会では、平成17年度の回収量は、市町村分別収集量25.2万トンと事業系回収量9.7万トンの合計34.9万トンと発表しています。平成17年の指定PETボトル用樹脂生産量53.3万トンを分母とする回収率は65.6%です。
  2. 2)貿易統計からの推計に基づくと、PETボトル推進協議会では、輸出による海外リサイクルを加えると実質的な回収量は38.1万トン以上、回収率は72%以上と推定しています。

分別収集されたPETボトルは、ほとんど材料として再利用されずに、埋立て・焼却しているというのは本当ですか?

指定法人ルートではPETボトルの再商品化手法は材料リサイクルとケミカルリサイクル(ボトルtoボトル)に限定され、サーマルリサイクル(熱利用)は承認されていません。指定法人ルート以外でも、回収されたPETボトルは原料に戻す工場が有償で購入し、それをフレークやペレット(繊維・シート等の原料となる)に仕上げています。

<解説>

  1. 1)(財)日本容器包装リサイクル協会(指定法人)によると、平成17年度の市町村からの引取実績は17.0万トンです。これに対し、再商品化量は14.3万トンであり、図6のように繊維(6.4万トン)、シート(5.9万トン)、ボトル(1.2万トン)などに再商品化されています。

図6●再利用品の用途別推移

(出所)(財)日本容器包装リサイクル協会

  1. 2)市町村からの引き取り量の実績値と再商品化量の差2.7万トンはPETボトルと一緒に収集されるプラスチック製のキャップ・ラベル、残さや異物などですが、これらについても、すべてごみとして捨てられている訳ではありません。キャップ・ラベルの大半はリサイクルされています。
  2. 3) 現在、PETボトルの場合、リサイクルの進度を示す指標は、回収率に統一され、再商品化率、再生率あるいはリサイクル率という数値は現在求められておりません。これは、資源有効利用促進法にて産業構造審議会の自主ガイドラインというものがあり、PETボトルの場合、これまで回収率やリサイクル率の指標があったものを経済産業省の指導のもとに回収率に一元化した経緯があります。PETボトルリサイクル推進協議会は、この産業構造審議会の自主ガイドラインにて、平成26年度(2014年度)回収率80%の目標を提示しており、それに向かって活動を行っています。

※2006年次報告書 「図6再利用品の用途別推移」参照

PETボトルはリサイクルするよりも、回収せず廃棄した方が、環境負荷は低くなるのでしょうか?

PETボトルは回収率が高くなるほど、エネルギー消費量、CO2排出量、NOx排出量、SOx排出量等の環境負荷が低減するとの調査結果があります。

<解説>
現在、環境負荷を算出するLCI(ライフサイクルインベントリー)として公に認められているものとして、環境省請負調査となる財団法人政策科学研究所の「平成16年度容器包装ライフ・サイクル・アセスメントに係る調査事業報告書-飲料容器のLCAに係わる実態調査-」があります。PETボトルのリサイクルと廃棄の比較については、同報告書にデータが掲載されています。

ペットボトル耐熱用(500ml)のリサイクルと廃棄の比較(例)

ペットボトル耐熱用(500ml)

出典:平成16年度容器包装ライフ・サイクル・アセスメントに係る調査事業報告書 A-148、A-149

一部市町村が使用済みPETボトルを指定法人ルートに回さなくなった理由は何ですか?

一部市町村が使用済みPETボトルを指定法人ルートに回さなくなった理由は、分別収集・選別保管したベール品を、指定法人に引き渡さず、市町村独自にリサイクル業者や輸出仲介業者などに販売する事例が増えたためです。

<解説>

  1. 1)容器包装リサイクル法で消費者は「分別排出」、市町村は「分別収集・選別保管」、特定事業者は「再商品化」と三者の役割分担が定められています。指定法人ルートでは市町村は分別収集・選別保管の費用を負担し、再商品化(リサイクル)費用は特定事業者が各々負担します。本来、市町村から事業者への引渡しは無償で行われるのが原則です。
  2. 2)しかし、再生PET樹脂の国内外での需要が高まり、その原料となる使用済みPETボトルが有価物として市場取引がおこなわれる事例が増えてきたことから、平成18年度より指定法人ルートでもPETボトルの有償入札を認め、離島などの遠隔地を除きほとんどが有償入札となりました。
  3. 3)有償入札で再商品化事業者から指定法人へ支払われたお金は市町村へ還元されるので、市町村は独自にリサイクル業者や輸出仲介業者に使用済みPETボトルを販売しなくても、指定法人ルートを利用することによって収入を得ることができます。今後は、市町村独自にリサイクル業者や輸出仲介業者に販売する事例が減少し、指定法人への円滑な引渡しが促進されることが期待されます。

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