PETボトルQ&A
Section2 PETボトルリサイクルの基礎知識
Section2 PETボトルリサイクルの基礎知識
中身が消費され排出された使用済みPETボトルは、主に2つのルートでリサイクルされます。
市町村ルート…家庭から分別排出され、市町村が分別収集するルートです。容器包装リサイクル法により、消費者(分別排出)、市町村(分別収集・選別保管)、事業者(再商品化)という三者の役割分担が定められています。
事業系ルート…使用済みPETボトルを事業者自らの責任でリサイクルを行うルートです。自動販売機脇、工場やオフィス、交通機関や公共施設など、排出する場所は様々ですが、廃棄物処理法や自治体の条例等に沿って運用されます。なお、スーパー・コンビニなどの店頭回収については、市町村ルート・事業系ルートの選択は地域の事情により異なります。
分別収集された使用済みPETボトルは、選別保管の工程を経て、再商品化事業者(再生PET原料を作る事業者)によりフレークやペレットに加工されます。最終的に、再商品化製品利用事業者(製品のメーカー)のもとで、新たな飲料用PETボトル(ボトルtoボトル)や繊維製品(自動車内装材、ユニフォーム、カーペットなど)、シート製品(食品用トレイ、卵パック、ブリスターパックなど)、成型製品(結束バンド、建築用材など)などに再利用され、リサイクル商品として消費者に戻ります。
プラスチック製容器包装のリサイクル手法としては、PETボトルと同じマテリアルリサイクルと、油化、高炉還元化、コークス炉化学原料化、ガス化などのケミカルリサイクルがあります。更に、指定法人ルートでの実績はありませんが、固形燃料化/RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)などのサーマルリサイクルもあります。
PETボトルの場合は、繊維・シート・成形品などの新たな製品に生まれ変わる一般的なマテリアルリサイクルと、PETボトルの原料に戻し再び食品用のPETボトルに循環利用するボトルtoボトルがあります。なお、PETボトルはPETボトル単独でリサイクルする仕組みが整備されており、RPF等のサーマルリサイクルは行っておりません。
プラスチックの再商品化実績の詳細は 日本容器包装リサイクル協会ホームページ参照
PETボトルの再商品化実績の詳細は統計データ>再生PET樹脂の用途参照
ボトルtoボトルの詳細はもっと詳しく知る>ボトルtoボトル参照
PETボトルがリサイクルされ、品質の良い新たな再生品として生まれかわるには、PETボトルに付着した内容物の残さや臭いを除去しなければなりません。指定PETボトルの対象には水洗浄が容易な内容物が選ばれています。PETボトルのリサイクルでは、消費者が「軽く中をすすいで、水切りをし」分別排出して頂くことが重要です。
詳細はもっと詳しく知る>指定PETボトル 参照
着色ボトルは透明のボトルと同様PET樹脂で出来ているので、比重分離が出来ません。
再生フレークや再生ペレットが着色されていると、再利用製品の用途が制限されることになり、リサイクルに支障が生じます。
現在、着色ボトルは国内生産は行っておりませんが、輸入飲料には一部着色ボトルを使用しているものがあります。
透明なPETボトルで本体の口の部分が白色のものがありますが、着色はしておりません。耐熱用PETボトルの製造工程で本体の口の部分を結晶化(白くなる)する製造方法を用いたためであり、リサイクルには支障はありません。
家庭から分別排出され市町村が分別収集するPETボトル以外に、自動販売機、オフィス、スーパー・コンビニ、鉄道会社、公共施設等から排出・回収されるPETボトルがあります。これらを総称して事業系PETボトルと言います。事業系PETボトルの回収形態は様々で、下表の様に分類されます。
■ 表10 事業系PETボトルの回収形態による分類
類型 | 業種等 | 業種の主な例 |
---|---|---|
自動販売機脇回収型 | 飲料販売事業者 | 飲料ボトラー、飲料自動販売機オペレーション事業者等 |
自社排出型 | 事業者 | 工場、オフィス等全ての事業者 |
拠点回収型 | チェーンストア | スーパーマーケット、コンビニエンスストア、生活協同組合等 |
利用者持込型 | 交通機関 | 鉄道(駅含む)、空港、高速サービスエリア、バス、フェリー等の海運業 |
レジャー施設 | スポーツ観戦施設、映画館、遊園地等のレジャー施設 |
市町村のリサイクルプラザや保管施設などで見学が出来るところがあります。先ずは、お近くのリサイクルプラザ等を当推進協議会ホームページ等で検索してください。当推進協議会では、リサイクルプラザや保管施設に資料や展示サンプルを提供しております。
2007年10月30日に乳等省令の改正が官報に記載され、牛乳容器としてPETボトルを使用することが可能となりました。乳業関係団体では、持ち運べて数回に分けて飲むことが想定される500ml帯のPETボトルを除き、350ml以下と720ml以上のPETボトルに限定する旨の自主規制ガイドラインを作りました。
2017年4月には200mlのPETボトルを使用した牛乳が商品化され、全国で発売されました。
PETボトルのキャップを送るとワクチンとなる運動があり、複数の団体が活動されている様ですが、いずれも有志による自主的な活動と聞いています。容器包装リサイクル法等の国が定めた枠組みや指針に沿って、社会全体の使用済みPETボトルのリサイクル推進活動を行う当PETボトルリサイクル推進協議会との関わりはありません。
リサイクルに支障をきたすため、薬品・廃油・たばこの吸殻・鉛筆の削りくずなどを入れたり、工作などに使用する等、後利用(アフターユース)したPETボトルはリサイクルに出さないでください。
なお、ドライアイスを入れたり高圧をかけるのは破裂し大変危険です。
当推進協議会ホームページのコンテンツに「分別排出にご協力ください 図解:PETボトル再商品化の流れ」の日本語版と英語・中国語・韓国語の翻訳版があります。
(1)識別表示、(2)分別排出、(3)分別収集、(4)再商品化、(5)再商品化製品利用について、分かりやすく説明しています。
当推進協議会ではPETボトルリサイクルに関する様々な情報を取りまとめた「PETボトルリサイクルメールニュースRING」の配信を定期的〔年4回〕に行っています。当ホームページより配信をご希望の方のメールアドレス登録やバックナンバーの閲覧ができます。
皆様にPETボトルリサイクルについて知識を深めていただくために、当推進協議会では冊子やDVD、 PETボトル再利用品サンプルなどを用意しております。用途・目的に合わせ、「一般の皆様」と、「リサイクルプラザ・展示イベントご担当様」の2種類のFAXによる申込書があります。当ホームページよりダウンロードし、ご利用ください。