●PETボトルのリサイクル概況 | ||
●PETボトルのリサイクル概況(数表) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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■容リ法のもと、世界最高水準の回収率をキープ | ||
PETボトルのリサイクルは、容器包装リサイクル法のもと順調に進んでいます。 分別排出時には、キャップをとり、中身が残らないように軽く水洗して異物を混入させないことが大切な注意点です。このことが、きれいなPETボトルを集めることになり、より品質の良い再生樹脂ができます。 分別収集されたPETボトルは、市町村などの中間処理場で圧縮してこん包されたベール※1)にします。このベール品の品質がリサイクルのポイントです。非常に良いと評価できる、いわゆるAランク品は、トン数構成比で2002年度は70.1%でした。調査を開始した1998年度の35.8%と比較すると、ベール品の品質改善が格段に進んでいます(「ベール品の品質向上」参照)。 日本のPETボトルリサイクルが進んでいることは、海外のリサイクルデータと比較すれば明らかです。 分別収集量と生産量の比率を回収率と呼びます。この回収率データを日本、米国、欧州(EU)間で比較してみます。 日本の回収率は毎年急速に上昇しており、2002年度の実績値は45.6%と2001年度の40.1%を大きく上回りました。さらに、確認できた事業系回収量32千トンを加えると、回収率は53.4%となりました。 一方米国では、2001年の22.1%から2002年には19.9%になりました。欧州は2001年の20.7%(推定)から25.0%(推定)へ上昇しています。日本のPETボトルの回収システムは欧米に遅れてスタートしましたが、短期間のうちにその回収率は世界の最高水準に達しました。 |
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●日米欧のPETボトルリサイクル状況比較 | |||
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■廃棄に回っている量は減少の傾向 | ||
廃棄されているPETボトルの量を、生産量と収集量の差をもって推し量ると、1999年の256千トンをピークとして2000年以降は減少傾向を示しています。 特に2002年の廃棄量は対前年比マイナス14%以上の大幅な減少となりました。これは、市町村による分別収集の進展と合わせて、事業者等による回収の実態が徐々に明らかになってきたことによります。 推進協議会が2001年から事業系回収について精査を進めた結果、市町村分別収集以外の部分は、すべてごみとして廃棄(焼却・埋立等)されているわけではなく、むしろかなりの部分がリサイクル(輸出も含む)されているのではないかという確信が強まっています(「樹脂の動向 PETボトル用樹脂の〜」、「事業系回収PETボトルの確認・検証」参照)。 |
●PETボトルの廃棄量(生産量と収集量の差)推移 | |||
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■PET飲料は伸長、PET樹脂量はボトル軽量化で安定 | ||
PETボトル用途の約90%以上を占めるPETボトル清涼飲料の生産量の伸びは順調であり、1997年から2001年までは一貫して毎年10%以上の増加傾向にありました。2002年は、茶系飲料の需要拡大やホット対応ボトルの開発などによって、対前年比+7.3%(容量ベース)と相変わらず高い伸び率を示しており、ボトル本数で見ても同様に伸びています。 一方で、2002年のPETボトル用樹脂生産量は対前年比+2.4%と伸び率は安定化を見せています。 これはリデュースを推進するべく、業界をあげてPETボトルの軽量化に取り組んだ結果、全体として飲料容量1リットルあたりのボトル重量を対前年比で4.3%軽減できたためです。個別の具体例としては、500mlボトルで従来の32gから26gに(軽量化率18.8%)、1,500mlでは従来の59gから55g(軽量化率6.8%)に軽量化したことなどがあげられます(「リデュース(樹脂使用量削減)として〜」参照)。 |
●PETボトル用樹脂の用途別生産量推移(上:グラフ、下:数表) | |||
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