PETボトル用樹脂のマテリアルフロー
指定PETでの樹脂使用量は413千トン、再生樹脂生産量(指定法人分)は112千トンに
バージン樹脂、再生樹脂ともシートでの需要増が顕著
 PET樹脂(ポリエステル樹脂)全体のマテリアルフロー(2002年度)は、右図のようになりました。国内樹脂生産量は1,211千トン(対前年比97%)と減少しましたが、輸入樹脂が305千トン(122%)、再生樹脂が112千トン(119%)と増加し、国内生産の減少分を埋め合わせた形となっています。総計では1,628千トン(103%)と昨年並みでした。
 繊維生産量は、564千トン(90%)と減少しましたが、再生樹脂の使用量は前年に引き続いて増加し、59千トン(121%)となっています。
 ボトルは446千トン(101%)で、大半は指定PET(413千トン、102%)です。清涼飲料用は391千トン(103%)でした(「PETボトル用樹脂の用途別生産量推移」参照)。
 フィルムは210千トン(91%)となりました。
 シートは、昨年に引き続き使用量の拡大が顕著で、161千トン(110%)、再生樹脂の使用も46千トン(122%)と伸びています。
 使用済みの指定PETボトルのうち、市町村が分別収集した分は188千トンで、回収率45.6%となり、その多く(154千トン)は指定法人〈(財)日本容器包装リサイクル協会〉が引き取り、再商品化施設で再生樹脂として生まれ変わっています(2002年度は112千トン)。
 使用済みPETボトルは、市町村で分別収集される以外に、店頭などでも回収されています。そうした事業系回収の量(推進協議会による調査では、2002年度は約32千トン※1))を合わせると回収率は53.4%とさらに大きくなり(「事業系回収PETボトルの確認・検証」参照)、循環型社会が根付いてきたといえるでしょう。事業系回収量の数値に関しては継続して精査していきます。
※1) 推進協議会が第三者機関に数量把握を委託し、監査法人による監査を受けた数量です。
PETボトル用樹脂(ポリエステル樹脂)の
マテリアルフロー(2002年度)
単位:千トン
(出所) 樹脂国内生産:化学統計月報
樹脂輸出入:貿易統計
繊維:繊維統計月報
ボトル:PETボトル協議会
フィルム:PETボトルリサイクル推進協議会による推定値
シート:PETトレイ協議会
分別収集量:環境省
再生樹脂:(財)日本容器包装リサイクル協会(市町村引取量と再生樹脂量との数量差42千トンは異物、工程内ロスなど)
輸入飲料容器:PETボトルリサイクル推進協議会による推定値(日本貿易統計より推定)
事業系回収量:PETボトル推進協議会調査
※2) この「その他」は、資源ごみとしての収集が確認されていないPETボトルの量であり、PETボトル用樹脂の生産量と収集量(市町村分別収集量+確認された事業系回収量)の差となっています。
一般的には、この「その他」をもって「廃棄量」を推し量っていますが、すべてが廃棄(焼却・埋立ほか)に回っているわけではなく、実際には事業者等によって一部回収されてリサイクルあるいは輸出に向けられていると推測されます。
今後、事業系回収量の精査が進めば、この量は減少するものと考えられます(「事業系回収PETボトルの確認・検証」参照)。
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●PETボトルリサイクル年次報告書