はじめに
2003年度回収率61.0%を達成(市町村回収率48.5%)容器包装リサイクル法のもと回収率はさらに上昇

 2003年度のPETボトル市町村分別収集量は212千トンと、同法のPETボトルへの施行当初(1997年度)の10倍になりました。また、精査された事業系回収量※3も55千トンに増加し、これを加算した回収率は2002年度よりさらに上昇して61.0%(市町村回収率48.5%)になり、2002年度の50%超えに続いて60%台を達成しました。

※1 容器包装リサイクル法(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律):容器包装廃棄物の分別収集、再商品化を促進するため、1995年6月に制定。1997年4月よりPETボトルとガラスびんについて、事業者の再商品化義務が生じ、市町村による分別収集も広く行われるようになりました。分別収集の対象となるPETボトルは、清涼飲料、しょうゆ、酒類、乳飲料等用(2002年度に乳等省令が改正されました)の4用途です。これらを「指定PETボトル」といいます。再商品化義務の履行は、事業者が(財)日本容器包装リサイクル協会に委託して行っています。(財)日本容器包装リサイクル協会は、容器包装リサイクルの推進のため1996年に設立され、主務4省(当時の厚生省、通商産業省、大蔵省、農林水産省)から「指定法人」として指定を受けている財団法人です。
※2 2001年まで使用していた「リサイクル率」は、経済産業省主催の資源循環指標調査検討委員会(2002年6月、報告書『資源循環指標策定ガイドライン』を公表)で、「回収率」と呼称を統一することに決まりました。ちなみに、欧米のPETCORE(PET Container Recycling Europe)、NAPCOR(National Association for PET Container Resources)の資料も日本と同様に、回収率=収集量÷生産量または消費量です。
※3 事業系回収量とは、市町村の分別収集以外に、事業者(スーパー、コンビニ、鉄道会社、他事業者等)が自主的に回収し、リサイクルするために再商品化事業者等に渡したもので、推進協議会が独自に調査を実施(第三者機関に数量把握を委託)し、監査法人による監査を受けたものです(「事業系回収PETボトル量の把握」、「樹脂の動向」参照)。


夢の完全循環型リサイクル ボトルtoボトルが本格スタート

 PETボトルリサイクル推進協議会※5(以下、推進協議会)がPETボトルの完全循環型リサイクルを目指して、その開発と実用化に向けて支援してきた化学分解法「ボトルtoボトル」は、2004年3月食品安全委員会※6で安全性が確認され、4月から商品として店頭に出回りはじめました。
 今後は、これまでのマテリアルリサイクルと並行して、PETボトルリサイクルの将来的な安定化が図れるものと期待されます。

※4 ボトルtoボトル」参照。
※5 PETボトルリサイクル推進協議会とは」参照。
※6 食品安全委員会:科学的知見に基づき客観的かつ中立公正に食品健康影響評価(リスク評価)を行う機関で、2003年7月1日付で食品安全基本法に基づき、内閣府の下に設置された委員会のこと。食品健康影響評価は、食品に含まれる可能性のある添加物等の危害要因が、人の健康に与える影響を、種々の試験成績を踏まえて科学的に評価するものです。


「リデュース」としての軽量化を促進 輸出・焼却・埋立などの“処理未確認量”(以下「未確認量」)は大幅に減少

 推進協議会は、リデュースとしての清涼飲料等PETボトルの軽量化による排出抑制と、それによる未確認量の低減を推進しており、未確認量は1999年度の256千トンをピークとして減少を続け、2003年度は170千トンと大幅に減少しました。
 この170千トンの量は、容リ法がPETボトルへ施行された1997年度の197千トンとの比較においても下回っています。

※7 リデュースとしてのPETボトル軽量化が貢献」参照。
※8 PETボトルの未確認量推移」および「樹脂の動向」参照。


PETボトルの利便性は多くの消費者から認められています 分別収集の啓発活動を進めています

 清涼飲料、しょうゆ、酒類、乳飲料等用に利用されているPETボトルは、
(1) 開栓しても再栓性(リキャップ性)があり、安全で衛生的
(2) 軽くて持ち運びや取り扱いが便利
(3) 透明で中身が見えて安心でき、外観も美しい
(4) 落としても割れない
といった優れた特長と価値観から消費者に愛用され、清涼飲料容器の約6割を占めるまでになりました。
 推進協議会は、そうしたPETボトルの利便性を理解していただき、また、その分別収集がより多くの市町村とその広い地域で早期に実施されるよう、広報活動の強化と充実を図っていきます。
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●PETボトルリサイクル年次報告書