レポート/2003年度PETボトルリサイクル概況
容リ法のもとPETボトル未確認量は大幅に減少

市町村分別収集の進展が大きく寄与

 PETボトルの生産量と収集量の差で表される未確認量(輸出・焼却・埋立など)は、1999年度の256千トンをピークとして2000年度以降は減少を続け、2003年度は対前年度比22千トン減(11.5%減)の170千トンとなり、ピーク時との差は86千トン(33.6%減)と大幅に減少しました。また、その170千トンは容リ法がPETボトルに施行された1997年度の197千トンとの比較においても下回っています。
 これは、市町村による分別収集量が2003年度では212千トンと、容リ法がPETボトルに施行された1997年度の21千トンの10倍にまで進展した効果によるもので、未確認量低減は市町村分別収集の進展が基盤になっています。
 推進協議会が2001年から事業系回収量について精査を進めた結果、市町村分別収集以外の部分は、すべてごみとして廃棄(焼却・埋立等)されているわけではなく、未確認の事業系PETボトル等が相当量回収され、再商品化または輸出されてリサイクルされていることがわかりました。今後も、これら未確認量をさらに少なくするための調査を継続していきます。(「事業系回収PETボトル量の把握」、「樹脂の動向」参照)。

図3●PETボトルの未確認量(生産量と収集量の差)推移

(出所)PETボトルリサイクル推進協議会
未確認量の内訳は「樹脂の動向」を参照。
未確認量=樹脂生産量−収集量(市町村分別収集量+確認された事業系回収量)
事業系回収量の控除は2001年以降で、その量は以下の通り。
2001年:16千トン 2002年:32千トン 2003年:55千トン

表3PETボトル用樹脂の用途別生産量推移
単位:トン
用途 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年





清涼飲料 194.748 258,793 308,222 338,654 380,372 391,126 412,970
しょうゆ 13,222 12,900 12,501 12,829 11,265 12,076 12,606
酒類 10,836 10,234 11,479 10,461 11,090 9,363 10,980
小計 218,806 281,927 332,202 361,944 402,727 412,565 436,556


洗剤、シャンプー 12,807 10,657 9,630 9,443 5,998 5,022 3,674
食用酒 1,461 1,511 2,079 2,487 3,264 2,734 2,255
調味料 10,565 11,489 14,267 13,653 12,838 12,654 13,774
化粧品 3,590 4,787 6,149 6,524 7,310 5,865 7,921
医薬品、その他 4,500 3,528 6,159 7,345 10,643 7,033 6,551
総合計 251,729 313,899 370,486 401,396 442,780 445,873 470,731
※暦年ベース(1月〜12月)※輸入品を含む(出所)PETボトル協議会


リデュースとしてのPETボトル軽量化が貢献

 PETボトル用途の約90%以上を占めるPETボトル清涼飲料の生産量の伸びは、1997年度から2001年度までは一貫して毎年10%以上の増加傾向にありました。2002年度以降の伸びも茶系飲料等の需要拡大で順調に推移し、2003年度も対前年比6.6%増(容量ベース)と相変わらず高い伸び率を示しています。
 生産量の増加に伴うPET樹脂排出量の抑制のため、2000年度からリデュースとしてのPETボトルの軽量化に業界をあげて取り組んできました。この結果、500mlボトルで従来の32gから23g(軽量化率28.1%)に、2Lボトルでは従来の63gから42g(軽量化率33.3%)にするなど軽量化が図られました。
 また、これまでの継続的な軽量化により、1999年度からの軽量化累計は108千トンになり、未確認量の低減に貢献しています。

図4●PETボトルの軽量化実績(1999年のボトル重量を基準とし、その後の軽量化によって低減できた樹脂量=樹脂節約量の推移)

(出所)(社)全国清涼飲料工業会
上の数値は指定PETボトルのうち清涼飲料のもの

図5●清涼飲料用PETボトル用樹脂生産量および樹脂節約量と清涼飲料1L当たりのボトル重量の推移

(出所)(社)全国清涼飲料工業会
上の数値は指定PETボトルのうち清涼飲料のもの
「樹脂節約量」は上の図4の「樹脂節約量」と同じ
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●PETボトルリサイクル年次報告書