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未確認量とは収集が確認されていない量であり、内訳は輸出・埋め立て・焼却などです。これらの数量内訳について現状では公式な統計では捕捉が不可能であり、これまでは、もっぱら埋め立て・焼却されているものが主流ではないかと見なされていました。 しかし、推進協議会の調査結果や信頼のおける調査機関の資料から、この未確認量のうちの過半が輸出され、海外で再商品化されているのではないかと推定しています。その理由として最近では、わが国で発生する使用済みPETボトルの破砕品などに中国・香港を中心に海外から活発な強い引き合いが入るようになりました。そして、これらは有償で取り引きされ、輸出されています。そのため、事業系のものも今までのような費用のかかる埋め立て・焼却という処理方法から、資源としてきちんと収集・選別が行われ、販売するという事例が急増しています。これらは事業系回収量調査でも明らかになってきています。 PETボトルは大切な資源であるということが一段と強く認識され、使用済みPETボトルの価値が大幅に上昇した結果といえます。特に日本のものは無色透明品であり、汚れや異物が他の国のものに比べ格段に少ないことから、近隣諸国から資源としてとりわけ高く評価されています。 |
日本から輸出されるプラスチックくずは、貿易統計(財務省)では「エチレン系プラスチックくず」、「スチレン系プラスチックくず」、「塩ビ系プラスチックくず」、「その他プラスチックくず」の4種類に分類されます。 使用済みPETボトルは「その他プラスチックくず」と分類され、2004年度では444千トン(対前年比125%)が輸出されました(香港・中国への輸出とリサイクル状況参照)。推進協議会が行った輸出先の現地調査や国内外事業者及び信頼のおける調査機関等の情報を集約すると、そのうちの約半分のおよそ200千トン(詳しくは195千トン)が使用済みPETボトルと推定されます。 2004年度の市町村分別収集量は238千トンであり、そのうち独自処理された47千トンが全て輸出されたと見なして、その量を差し引いた指定法人引取量192千トンと推定輸出量195千トンの合計は387千トンとなることから、樹脂生産量(514千トン)と回収量(387千トン)の差、すなわち埋め立て・焼却などに回る実質未確認量は127千トンと推定されます。 埋め立て・焼却などに回る未確認量は、容器包装リサイクル法がPETボトルに施行された1997年度の197千トンと比較すると大幅に下回っていることが確認されます。また、実質的な回収率も約75%と推定されます。 今後推進協議会は、これら未確認量を捕捉するための調査を継続するとともに、輸出統計基盤の整備を関係省庁に働きかけていきます。 |
※8 |
市町村分別収集量238千トンから独自処理量47千トンを引くと191千トンですが、千トン未満を四捨五入してあるため数値が上下しています。 |
(出所)PETボトルリサイクル推進協議会
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未確認量の内訳は下図4及び樹脂の動向の※10参照 |
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未確認量=樹脂生産量−収集量(市町村分別収集量+確認された事業系回収量)
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事業系回収量の控除は2001年以降で、その量は以下の通り。 2001年:16千トン、2002年:32千トン、2003年:55千トン、2004年:81千トン |
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(出所)下記以外は全てPETボトルリサイクル推進協議会による推定
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全体(指定PETボトル用樹脂生産量):PETボトル協議会 |
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市町村分別収集量:環境省 |
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指定法人引取量:(財)日本容器包装リサイクル協会 |
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国内消費のうち、繊維、シート、ボトル、成形品・その他の部分
:(財)日本容器包装リサイクル協会 |
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事業系回収量:PETボトルリサイクル推進協議会調査 |
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