ポリエステル樹脂全体のマテリアルフローは、下図のようになりました。国内樹脂生産量は1,195千トン(対前年比111%)に増加しました。輸入樹脂が398千トン(同119%)、再生樹脂が148千トン(同119%)と増加し、国内のポリエステル使用量全体で112%と増加しました。 繊維生産量は520千トン(同98%)と減少しましたが、再生樹脂の使用量は前年より増加し、64千トン(同112%)となりました。 ボトル用途では、2004年4月から本格的に飲料ボトルに再利使用するいわゆるボトルtoボトルが開始され23千トン再使用され石油由来樹脂使用の省資源効果が始まりました。この量は指定PETボトル用樹脂に対し2003年度の2.6%から4.5%に増加しました。 シートは2003年度に引き続き使用量の拡大が顕著で、188千トン(同106%)、再生樹脂の使用も55千トン(同109%)と伸びています。 使用済みの指定PETボトルのうち、市町村が分別収集した分は238千トンで、市町村回収率は46.4%となり、そのうち192千トンは指定法人〈(財)日本容器包装リサイクル協会〉が引き取り、再商品化施設で再生樹脂に生まれ変わっています。市町村が独自処理する量が47千トン(同123%)と増加し、指定法人ルートとして用意された処理施設の処理能力の余剰が顕著になりました。 使用済みPETボトルは、市町村で分別収集される以外に、店頭などでも回収されています。そうした事業系回収量(推進協議会による調査では81千トン/事業系回収と輸出の動向参照)を合わせると回収率は62.3%となり、循環型社会が根付いてきたと言えるでしょう。 樹脂の輸出は、財務省貿易統計ではポリエチレンテレフタレートとして計算され58千トン(同100%)でした。一方、回収され、または一次処理(粗粉砕orベール化等)された使用済みボトルは“その他プラスチックくず“として輸出されていることが分かりました。輸出先は主に中華人民共和国、香港で、この分類の量は444千トン(125%)で2003年より88千トンも増加して輸出されていました。このうち、使用済みPETボトルは約200千トン輸出されていると推定されます。 |