レポート/2004年度PETボトルリサイクル概況
「2014年度回収率80%以上」の長期目標を設定
循環型社会形成を推進
実質回収率は約75%と推定
 PETボトルのリサイクルは、モデル収集事業、モデル再商品化施設の建設、再生用途の開発、リサイクルしやすいPETボトル作成のためのPETボトル自主設計ガイドラインの制定など、20年以上前から業界が中心となって基盤構築を行ってきました。
 こうして、1997年の容器包装リサイクル法の施行後も回収率60%以上を達成するなど、PETボトルリサイクルは着実に成果を上げてきました。
 このような状況のもと、推進協議会はさらなる循環型社会形成を推進するべく、「2014年度回収率80%以上」の長期目標を設定し、2004年9月の経済産業省、産業構造審議会・環境部会廃棄物・リサイクル小委員会に諮られました。業界は決意を表明してガイドラインにも記載されています。
 中国など海外の事業者及び国内調査機関などの情報を集約すると、日本から中国・香港などの海外に輸出されている「その他プラスチックくず」の4〜5割がPETボトルと推定されていることから、資源化を目的に回収され中国などの海外に輸出されている使用済みPETボトルは、2004年度で約200千トンとみられ、2004年度の実質的な回収率は約75%と推定されます。
 回収率での輸出量の影響は大きく、今後は国、関係者の協力のもと、課題である輸出量の把握を高めるための施策の実現により目標の達成を目指します。
回収率は市町村分別収集が基盤
PET樹脂生産量は大幅増、市町村独自処理量が減少
 2004年度の指定PET樹脂は清涼飲料用を中心として対前年比117.7%と大幅に伸長しました。
 一方、市町村分別収集量も計画量の229千トンを上回り238千トン(対前年比112.6%)に達しましたが、樹脂生産量の伸び率を下回りました。
 容器包装リサイクル法施行後、PETボトルの回収率は消費者の分別排出と市町村分別収集によって急速に向上してきました。今後も、消費者・市町村による分別排出・分別収集が基盤となります。
市町村分別基準適合物引き取り契約量が減少
PETボトルが有償化、市町村独自処理が加速
 近年、中国など海外を中心に使用済みPETボトルの需要が拡大し有償化したことで、市町村では独自処理(指定法人以外のルートによるリサイクル)への方針転換が加速しています。
 このため、次年度(2005年度)の計画では、市町村分別収集計画量243千トンのうち、指定法人の市町村からの分別基準適合物の引き取り契約量は2004年度に比べ15千トン減の177千トンとなり、初めて前年度を下回りました。
 一方、2005年度の独自処理量は、2004年度に比べ19千トン増の66千トンとなる見込みで、大幅増に転じることから、この数量の正確な把握が望まれます。
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●PETボトルリサイクル年次報告書