RING PETBOTTLE RECYCLING
東京23区PETボトル回収の“いま”
 
新宿区
「ごみ半減、資源倍増」をキャッチフレーズに、
区を挙げて取り組む3R推進活動
 日本有数の繁華街「歌舞伎町」を擁する新宿区。一方では、都庁舎などの超高層ビルが林立するオフィス街や多数の住宅地を抱えるなど、その構造は実にバラエティに富んでいます。また、昼間と夜間の人口の差が大きいのも新宿区の特徴の一つとして挙げられます。

 その新宿区が現在実施している使用済みPETボトルの回収は、他の廃棄物と同様に店頭回収と集積所回収の2種類に大別されます。先行したのは店頭回収で、スーパーやコンビニなどから回収されたPETボトルはそのまま東京ペットボトルリサイクル(株)に直接引き渡されていますが、異物の混入も少なく、キャップやラベルもほとんどがはずされ、また汚れも目立たないようです。

 集積所回収がスタートしたのは2006年で、実際の回収と中間処理作業は東京包装容器リサイクル協同組合に委ねられています。現在はベール化設備を設けるだけのスペースがありませんので、集積所回収したPETボトルは同組合に搬入されています。新宿区の家庭から排出されたPETボトルの多くは他の区と比較しても、大きな差はないと言われています。しかし中にはラベルが付いたままのものや、汚れのひどいものもあるため、排出者が特定できる場合には、区の指導班が各戸を訪問して改善を求めています。

 PETボトルの回収量は、生産量の増加と区民のリサイクル意識の高まりにより急増し、以前の2倍の規模に膨らんでいます。そのため、今年度のPETボトル収集量は1,000トンを超えるものと予想されています。

 新宿区の場合、集積所に出されるゴミの総量の7割が繁華街やオフィス街から排出される、いわゆる事業系廃棄物で占められています。基本的には事業者の自己責任で処理されていますが、日量50kg未満のものについては他の区と同様に新宿区が有料で回収しています。多数の飲食店がひしめく歌舞伎町での排出量が特に多く、このため区では、他の地域以上の数の回収車を歌舞伎町に配車しています。

 こうした中で改めて注目されるのが、活発な3R推進活動。現在、区では「ごみ半減、資源倍増」をキャッチフレーズに、区を挙げてごみの総排出量の削減とリサイクルの促進に取り組んでいるところです。

 多くを占める事業系廃棄物を少しでも減らすため、各事業者に対してリデュースとリサイクルを強く働きかけるとともに、新聞への折り込み広告やチラシ、パンフレットなどのポスティングによる各家庭への啓発・広報活動の一層の拡充にも多くのエネルギーが投入されています。それらに加え、2008年には市民団体やスーパー、コンビニなどの代表で構成される「3R推進協議会」が設立され、買い物の際にレジ袋を辞退するとポイントが貯まり、区の施設やイベントで景品に交換したり、アトラクションに参加できる「エコ自慢ポイント制度」もスタートしました。また、新宿区では3Rの実践と学習の拠点であるリサイクル活動センターや、環境問題やCO2削減について解りやすく学べる環境学習情報センターも設置しています。昨年のごみの総排出量が前年よりも6,500トンも減った大きな要因の一つは、こうしたキメ細かく、しかも現実的な行政施策の展開にあると言えるようです。
環境清掃部新宿清掃事務所 事業係長 志村 広司
環境清掃部生活環境課 ごみ減量計画主査 小柳 典子
 <落合第一小学校>
落合第一小学校では、啓発用の清掃車を見て「やった!」「すごい!」と、子供たちが声をあげていました。区職員の説明に対しても活発に質問します。また、体育館でのごみ分別ゲームでは、子供たちが協力しあい、時には区職員に質問しながら、楽しく分別を学んでいました。
 
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