現在、中野区では店頭回収と集積所回収の二つの手法によって使用済みPETボトルを回収しています。
最初は特に店頭回収に力を入れ、PETボトルが集まりやすい大手スーパーなどに10台の破砕回収機を設置するなどの施策も講じてきました。そんな中、2008年10月からごみの分別区分を変更しました。プラスチック製容器と包装の資源回収を区内全域に拡大するとともに、今まで不燃ごみであったプラスチック製品、ゴム・皮革製品を「燃やすごみ」に、残った陶器類、ガラス類、金属類を「陶器・ガラス・金属ごみ」に名称も含めて変更しました。また、PETボトルも店頭回収のほか、びん・缶集積所でも回収するように変更しました。
この変更により、昨年10月から今年7月までの10か月間のごみ量を前年の同期間と比較すると、「燃やすごみ」は前年の「可燃ごみ」より7%増加しましたが、「陶器・ガラス・金属ごみ」は前年の「不燃ごみ」より約80%も減り、ごみ量全体では約10%の大きな減少となりました。
一方、資源につきましては、PETボトルやプラスチック製容器包装の回収量が前年に比べそれぞれ2倍以上と飛躍的に増加し、従来からのびん・缶の回収量も約20%増加しました。これにより、不燃系資源の回収量は53%増となり、古紙などの可燃系の資源と合わせると、中野区の資源化率は23区の中でもトップクラスとなっています。
この原動力になっているのは、区内の各町会・自治会です。どの町会・自治会も会長以下皆さんが資源物の適正な分別収集とリサイクルに熱心に取り組んでいます。
中野区は7割を超える住宅が集合住宅であり、交通の利便性も高いことから若年層が占める比率が他の区よりも高いのも特徴といえます。若年層が多い分、入れ替わりも激しいので(毎年20%くらいは入れ替わる)、綺麗な状態で集積所に出してもらうためのPR・広報を浸透させることは、決して容易ではないようです。
こうした特徴を踏まえ、これからも一層きめ細かい啓発活動を展開していく構えです。町会・自治会の回覧板などを活用するとともに、若者に焦点を当てた新しい広報活動にも挑戦しています。小規模集合住宅への指導を行うための専門班を新設して、集合住宅のオーナーや管理者に居住者へのPRを要請するようにしたことなども、若者をターゲットにした新しい試みの一つではないでしょうか。“現在の一人1日601gのごみ排出量を372gまで減らす”という目標を掲げている中野区の減量作戦の今後が注目されます。