RING PETBOTTLE RECYCLING
東京23区PETボトル回収の“いま”
 
荒川区
地域の活力と歴史のある地場産業の協力が生んだ、
再生資源の集団回収システム
 荒川区は、区内の家庭から排出される資源の回収方法を、区が実施していた資源回収を停止して各町会が実施する集団回収に移行したことにより、大きな成果を上げていることでよく知られています。

 各町会は、家庭から出されるPETボトルや古紙、びん、缶といった資源を回収し、民間の中間処理事業者に引き渡してリサイクルしています。区は、各町会の円滑な回収活動を支援するため、1kg当たり6円の報奨金を支給しています。また、区は、各町会に回収のためのネットを提供するほか、収集運搬経費や中間処理費も負担することで、PETボトルやびん、スチール缶も同様に町会の集団回収で回収している点が注目されます。各町会では、この報奨金を資源回収活動や周知活動のほか、祭りなど町会のイベント開催費用に充てたり、ティッシュペーパーなどを購入して各家庭に配ったりして地域の方々に還元しています。


 荒川区がPETボトルの回収をスタートしたのは東京都から移管された2000年のこと。それまではコンビニなどの店頭回収のみでした。当時の荒川区には大規模な開発が進行中でコンビニが存在しない地域があったため、その地域では店頭回収に代わる手法として集合住宅ごとにPETボトルを回収するモデル事業を開始しました。その結果、予想していた以上の量が集まるようになったこともあり、2007年4月から町会の集団回収でも回収を始めました。2008年4月以降は、区内のほぼ全域をカバーする118の町会で回収され、概ね40世帯につき1ヶ所の割合で回収拠点が設けられています。

 環境清掃部の古橋課長の説明によると、「PETボトルの回収を町会にお願いすることにしたのは、町会の集団回収で回収したびん・缶は区が回収していた頃と比べて、明らかに綺麗なものがしっかりと分別されていたからです。」とのこと。「集団回収は、町会や区民が分別を担い、正しく分別された資源を収集事業者へ引き渡すことにより区から報奨金が支給される仕組みなので、自ずと綺麗なものが、しかもきっちりと分別されて集まるようになるのです。」と補足してくださいました。

 区としても、経費を削減できているようであり、今後とも全戸にチラシを配るなどしてPETボトルなどの資源は町会の集団回収に出していただくように、広く区民にアピールしていくとのことです。

 この集団回収システムの普及に大きく貢献しているのが収集運搬と中間処理を担っている「荒川区リサイクル事業協同組合」です。46社で構成され、区の委託を受けてPETボトルの他にも、びん、缶、古紙も対象にして様々なリサイクル事業を展開しています。「特にこの地は再生資源業の集積地域であり、歴史も古く地場産業として展開されており、この特性と経験を生かし組合に参画している現況に感謝しています。」と事務局長の杉崎氏は語っています。

 最近では、特注で使用済みPETボトルの運搬専用のパッカー車、それもハイブリッドカーを導入して、効率の向上だけでなく、環境にも配慮して事業に取り組んでいます。
環境清掃部清掃リサイクル課 課長 古橋 豊 
環境清掃部清掃リサイクル課 ごみ減量係 瀬田 昭夫
環境清掃部清掃リサイクル課 ごみ減量係 田村 則子
荒川区リサイクル事業協同組合 事務局長 杉崎 勝雄
 <第五峡田(はけた)小学校>
第五峡田小学校の環境学習では、分別ゲームでも、区職員の説明の時でも、「やった!正解だ!」「しまった!まちがえた!」といった子供たちの声がとびかっています。「これからはごみを正しく分別してください。」という言葉には「はい!」と元気に答えていました。
 
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