RING PETBOTTLE RECYCLING
資源循環型社会を目指して 神奈川県川崎市
2003年9月から全市でPETボトルの分別収集を実施
 川崎市は南東から北西に細長い人口約129万人の政令指定都市です。川崎市は1969年に「ごみの毎日収集」という先駆的な運動を市全域で推進してきましたが、ごみの排出量のさらなる増大により、1990年、『ごみ非常事態宣言』を行い、ごみ減量化作戦を開始、分別徹底を図りました。1997年からは週のうち1日を『資源物の日』として、空き缶、空きびん、雑金属類、乾電池の収集を始めました。PETボトル収集も、1999年から工業・商業地域の多い川崎区、幸区、中原区の3区で開始し、2003年の9月からは住宅地域の多い残りの高津区、宮前区、多摩区、麻生区の4区で始まり、全市にて収集されることになりました。
 1998年3月に竣工された南部リサイクルセンター(川崎区夜光)では『資源物の日』に出されたPETボトル、空き缶、空きびんが搬入・処理されています。ひっきりなしにベルトコンベアを流れるPETボトルなどが手際よく選別されていました。2003年度は年間2,700トンのPETボトルを処理する計画です。
大量のPETボトル回収の実現へ
手際よく選別されるPETボトル
整然とストックされているベール
 分別収集拡大に伴っての広報活動は、川崎市廃棄物減量指導員連絡協議会、川崎市全町内会連合会などへの説明を経て、ごみ集積所や広報掲示板へのポスター貼付、町内会の回覧版、市政だより、広報誌(「エコー」「環境情報」など)への掲載、外国人向けの印刷物(4カ国語)の発行、市のホームページへの掲載などできめ細かな啓発活動を行い、徹底を図りました。 
 平成14年度のPETボトル収集量は3区(人口約56万人)のみで約1,500トンでしたが、9月から4区(人口約74万人)の分別収集が始まると、市全域で分別収集を実施することとなるため、飛躍的な増量が期待できます。現状ではまだまだ、キャップをしたまま、洗浄されていない、などの状況が見受けられるので、PETボトルを出すときには「(1)キャップをとる(はがせるラベルをはがす)(2)中を洗う(3)つぶす(4)空き缶と一緒に」を徹底していただくよう、この機会を利用して市民全員へ改めてお願いしています。PETボトルは空き缶と一緒の「一括収集」です。「財政逼迫の折、効率的な収集体制を図るため、普通ごみを収集している収集車で『資源物の日』の収集に対応しています。人と車を増やさずに済みますからね。もちろん、収集車は、きれいに洗浄してからPETボトルの収集を行っています。」と語る渡邊副主幹。
 人口約129万人の大都市ですから、9月からの全市一斉の分別収集の実施により、さらに品質の良いPETボトルが大量に収集されリサイクルされることが大いに期待されます。
川崎市環境局生活環境部収集計画課 渡邊芳丸副主幹
施設部処理計画課 福島 繁主査
生活環境部減量資源課 遠藤誠二事務吏員
(取材 RING編集委員)
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