RING PETBOTTLE RECYCLING
環境学習の現場から
京都府 亀岡市 環境市民部環境事業課
 亀岡市では早くから児童と学校、地域が一体となり、環境美化のためのごみ拾いや、保津川の水質検査、廃品のリサイクル利用などを実行。循環型社会を支える環境学習や生涯学習に力を入れてきました。その成果は、児童たちが、その環境学習で学んだごみ問題を自分たちで少しでも解決しようと、「PETボトルを集めてリサイクルしたい」との思いを市に寄せたことに現れています。それに応えるかたちで、2001年11月から環境学習の一環としての「学校モデル事業」を開始しました。「学校モデル事業」は、児童たちが身近なPETボトルの収集を体験し、リサイクルに対する意識をいっそう浸透・固定化させることで、市がめざす資源循環型まちづくりの次代の主役に育ってもらうことを目的としています。参加モデル校は西別院・川東・千代川小学校の3校です。
 市内12ヵ所の量販店で展開されているPETボトルの拠点回収と併せ、校内に回収ボックス、ストックボックスを設置。拠点回収で業務委託をしている業者の方にお願いして収集と再生資源化を行っていただいています。『そうして再利用品として生まれ変わった「バケツ」や「定規」などを児童たちに還元しています。励みになりますからね』と環境事業課の大橋課長。2002年度での拠点回収と学校モデル事業で収集されたPETボトルは約41トン。学校モデル事業についてのアンケート調査では、「環境意識が高まった!」との回答が多数ありました。
量販店に設置された回収ボックス(右)
 さらに市では、市役所が2000年7月にISO14001の認証を取得したのを機に、環境負荷低減への取り組みをより広範なレベルで実現するため、「家庭版ISO」「学校版ISO」を導入し、市民や、小中学校のさらなる参加を呼びかけています。「電気を消す」「水を節約する」といった身近なところから、実践の輪が広がっています。また、「地球環境こども村」を設置し、子供の頃からの環境育成にも取り組んでいます。

亀岡市環境市民部環境事業課
大橋修一課長、木村彦司計画係長
 
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
亀岡市立 西別院小学校
PETボトル8本で一着の服に再生されるんだ
 下駄箱の横に置かれた手づくりダンボールの回収箱。毎朝、児童たちが家庭から出るPETボトルを入れていきます。
 回収箱が置かれるまでは、市の拠点回収は市内が中心で、周辺部ではリサイクルしたくても持っていく所がありませんでした。「それなら学校でとりくもう」という訳で回収箱を設置したのです。
 市も、その熱意に応えるかたちで2001年度から小学校に集められたPETボトルの回収を始めることになりました。
 児童だけでなく住民の方々もPETボトルを持ってきます。「資源の大切さと、リサイクルの仕組みを学ぶいい機会になっています」と、法貴校長。月に1回、業者の方が回収に来てくれます。児童たちがリーダーになって頑張っているPETボトルリサイクル運動。「色々な物に生まれ変わるのがうれしい。もっと協力をしてほしい」と、お話を聞いた3人の目が輝いていました。
「PETボトルは捨てないで、学校に!」と語る鈴木さん、斉田君、大石君(左から)
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
亀岡市立 川東小学校
リサイクルの意識が地球環境を守ることに・・・
 色づき始めた稲穂が、風に揺れている田園風景に「バリバリ、バリバリ」という音が響きます。児童たちがみんなでPETボトルを踏み潰しているんです。5、6年生を中心にした環境委員会がPETボトルのリサイクルを呼びかけ、回収しています。新学期が始まったばかりで、夏休みに溜まったPETボトルがたくさん集まってきます。
 PETボトルはリサイクルに回すだけではなく、花瓶や置台などの作品の素材にもなります。「学校版ISO」とは、児童たちの回りからムダをなくし、省資源を考え、リサイクルの思考を身につけること。「電気をまめに消したり、水道の出しっぱなしをなくしたり、といったことを徹底させています」と、語る吉村先生です。「リサイクルの意識を持つことが、地球環境を守ることにもつながる」− 環境委員長の人見さんは学校集会で訴え続けています
PETボトルはボールペンや定規なんかに、再利用されているんだよ
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
亀岡市立 千代川小学校
亀岡の美しい自然をいつまでも!
 国道9号沿いにある学校の周りは堀に囲まれ、澄んだ水を通して川魚やザリガニの姿が見られます。「ふるさとアメニティスクール千代川」という表示が校舎に書かれてあるように、児童たちは周辺の自治会などと協力して『清掃活動』を熱心に行っています。その一貫としてのPETボトルの回収も活発に、スムーズに実行されています。環境委員の児童が回収箱に溜まったPETボトルを整理し、ストックボックスに保管するのです。この活動から、地域・家庭独自でもリサイクルが進められるようになってきています。国道を渡る地下道には環境をテーマにした壁画が描かれています。「ここの卒業生たちの作品です。その地下道もきれいに掃除しています。みんなとても熱心」と、渡辺教頭がうれしそうに語ります。PETボトルの回収箱の近くには、他の資源ごみの回収箱や、節水の成果を表すグラフなどもあり、リサイクルや環境への取り組みの熱意が感じられます。
元気いっぱい。リサイクルも清掃もがんばるぞ!
TOP BACKNEXT PET
Vol.12PETボトルリサイクル推進協議会