RING PETBOTTLE RECYCLING
資源循環型社会を目指して 埼玉県川口市
リサイクルの拠点朝日環境センターが完 成
 川口市は、人口約48万人、2003年の今年、市制施行70周年を迎えました。古くから『キューポラのある街』の活力ある産業文化都市として発展してきました。川口市は全国の市町村に先行し、1978年から資源ごみの分別を行ってきた歴史があります。これは『川口方式』と呼ばれ、全国市町村の手本となりました。また2002年12月からは25年ぶりの大改革となる、「7種類11分別」を採用しています。PETボトルに関しては(1)キャップをとる(2)洗う(3)つぶしてから出すことを、広報誌「PRESS 530」や190の町会・自治会、行政と市民をつなぐ地域のリーダーとしてのクリーン推進員を通じての説明会などで啓発してきました。
朝日環境センター
 透明袋で出されたPETボトルは資源ごみとして月2回、ステーション回収され、びん、缶、プラスチック、紙などと共にすべて、2002年12月に稼動を開始した朝日環境センター(川口市朝日)・リサイクルプラザ棟内の資源化施設に搬入されます(一般ごみは隣接するごみ焼却処理棟及び戸塚環境センターに搬入)。PETボトルの収集量は月100トン余り。処理ラインでの破袋、手選別、梱包を経て、ベールの状態で再商品化事業者に引渡します。「まだ3、4割のPETボトルにはキャップがついている状況ですが、もっと、啓発を徹底して質の良いPETボトルを確保したい」と語る鈴木主幹です。
活発な市民活動がバックアップ。
センター内部の設備
 朝日環境センターは、環境学習の一環として市内の小中学生の見学コースになっています。オープン以来4,000人近くの生徒が訪れました。リサイクルプラザ棟には資源化施設の上に、資源リサイクルなどの環境問題について広く学べる啓発施設があり、展示ホール、リサイクルショップ、リサイクル工房などの各コーナーを環境ボランティアと行政との協働により運営しています。5階にはプールや健康浴室などの余熱利用施設が完備し、平日で約300人、日曜には1,000人を超える市民でにぎわうこともあります。さらに屋上には自然エネルギーの有効利用を考える設備(太陽光発電、風力発電)などが備わっています。
 まさに『資源リサイクルの現場体験、環境啓発&学習、ボランティア活動、その恩恵としての健康&リラクゼーション』が一度に経験できる、環境コミュニケーションの拠点となっています。「もっとPRをして、この施設を市民参加型の環境学習のフィールドにしたい」と夢を語る小川主査です。
 また、街では、市制施行70周年記念事業のひとつとして「かわぐち環境通貨プロジェクト」が展開中で、地域清掃や緑化運動などの環境にやさしい活動に協力した生徒たちは、『キューポラ』という単位の地域通貨(エコマネー)がもらえます。これで、お祭りやイベントなどで飲み物などを買って楽しめるのです。全国の市町村に先駆けての『川口方式』の導入から始まった川口市の資源循環型社会実現への取り組みは、市民・ボランティアの協力のもと、着実に前進しています。
川口市環境部リサイクルプラザ技術係 鈴木勝美主幹
リサイクルプラザ推進係 小川順一郎主査
(取材 RING編集委員)
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Vol.12PETボトルリサイクル推進協議会