RING PETBOTTLE RECYCLING
資源循環型社会を目指して 弘前市
3分別から12分別収集に切り替え高品質な資源に
 人口約18万人の「りんごのまち」弘前市。平成12年度より全ての容器包装について分別収集を開始し、可燃、不燃、金物ごみの3分別収集から12分別収集に切り替わりました。人口の約3割が戸別収集、その残りがステーション収集です。早くから3分別収集に取組み始めた弘前市は、当初分別収集を普及するため、1戸、1戸、「ごみはありますか」と尋ねてまわり、その名残りが戸別収集として残っています。
 12分別収集を開始するにあたって最初のPRが肝心と、1年前から広報誌・新聞・テレビなどで広報するとともに、テレビとビデオを持って平日の夜間に毎晩、そして土日の昼に全自治会を回って何度も説明会を開いてきました。また、1年任期で市から任命された1町会2名の廃棄物減量等推進委員によるステーションでの指導、市職員のパトロール、集合住宅のステーションを回る分別指導員などそれぞれの立場で役割分担し、日々品質向上に努めています。その地道な努力と時流に乗って初年度から、計画の倍近い量の、品質も高いPETボトルが集まりました。また、その他の資源も全て高品質な資源として排出されています。中でもその他のプラスチック製容器包装は匂いもほとんどなく、目を見張るキレイさです。
透明袋(無指定)を使って単品収集
 弘前市では収集方法を検討した際、資源を混合で集めるとどうしても“ごみ”というふうに見られがちなので、全て単品収集にして住民の方に“資源”ということを意識してもらうようにしました。効率よく収集するため、1台で2種類の資源を同時に収集できるパッカー車を採用しています。また冬期には雪が多いため、品質維持の面からネットやコンテナ収集ではなく、透明袋による収集にしました。透明袋(無指定)による収集ということから、開始当時乳白色だった市内のスーパーやデパートのレジ袋が、現在はほとんどが透明に替わり、住民はその袋を利用して資源物を排出しています。市からの働きかけなしに、自然と切り替わったところに住民および事業者の高い意識を感じられました。「各家庭で、ごみとして出すか、資源として出すか、この意識の違いが排出される品質の違いとして現れてきています。」と語った齊藤主幹の言葉が非常に印象的でした。
市からの要請なしに、自然にレジ袋が乳白色から透明袋に変わった 弘前地区環境整備センター
市からの要請なしに、自然にレジ袋が乳白色から透明袋に変わった 平成15年4月から稼働の弘前地区環境整備センター
 平成15年4月からはリサイクルプラザを併設した清掃工場が稼働予定で、弘前市を含む1市5町3村(岩木町、藤崎町、大鰐町、平賀町、板柳町、相馬村、西目屋村、碇ヶ関村)の弘前地区環境整備事務組合の管理運営で広域処理を行います。それにともないその他のプラスチックなど収集をまだ開始していなかった町村も、4月より弘前市と同じ12分別収集に一斉に切り替わり、ごみ処理広域化計画の推進役としてますます弘前市への期待は高まっています。
(弘前市 市民生活部環境保全課 齊藤登美治主幹兼リサイクル推進係長)
(取材 RING編集委員)
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