RING PETBOTTLE RECYCLING
資源循環型社会を目指して 江東区
江戸時代からの歴史を背景に
 平成14年4月より、江東区は23区内で口火を切ってごみ集積所を使用したPETボトルの回収を始めました。約40万人という人口をかかえ、23区内で唯一埋立地をもち江戸時代からごみの埋立ての歴史とともに歩んできた江東区。そうした歴史を背景に、江東区民はごみやリサイクルの問題に常に敏感に反応し、積極的に行動してきました。そしてトップランナーとして先を見据え、平成7年の資源化施設「江東区リサイクルパーク」の稼働と同時に、PETボトルを分別回収品目に追加し、月2回、町会・自治会などを主な単位として、平成13年度には約2,600ヶ所で展開していました。しかし、まだまだ不燃ごみとして収集されているものも多くあり、「参加しやすく、分かりやすい」システムを目指して、平成14年度より、約7,500ヶ所あるごみ集積所で週1回、資源収集の日に、古紙回収に加えてPETボトル、缶、びんの回収を始めました。
上半期で前年度の50%増
狭い道も小回りがきく軽トラックで資源を収集
狭い道も小回りがきく軽トラックで資源を収集
 平成13年度上半期で390tだったPETボトルの回収量が、ステーション収集開始後の平成14年度の上半期では約590tと50%増という目を見張る効果が見られ、区民の積極的な受入、協力がうかがわれました。また、排出日が隔週から週1回という憶えやすい日程になったことや、排出場所が増えて便利になったことが、この回収量増加につながったと考えられます。
 また、ステーションが多いことから、狭い道では小回りがきく軽トラックで収集してまわり、2tトラックに積み替える、といった23区にはよく見られる、大都市ならではの収集方法も特徴的です。
 同じく23区の1つ、豊島区でも平成14年度4月より区全域でPETボトルの回収を開始しています。
まちをキレイにしよう!
排出されたキレイなPETボトル
排出されたキレイなPETボトル
 平成14年10月から「まちをキレイにしよう!」と区の広報で呼びかけ、アダプトプログラムを導入しました。「正直、募集して一人もこなかったらどうしよう。と、どきどきでした」と振り返る丸山課長。それが、ふたを開けてみると、22団体250人以上が集まりました。しかも老人会から高校生のアウトドアクラブまで多彩なグループからの応募があり、想像以上に若い方の参加がありました。人々の関心が多く寄せられてきた根底には、マナーだったり、住んでいるまちに対する愛着だったり、PETボトルを分別して出していることだったりと、全てがつながっているのです。
 このように区民のごみに対する意識が変わってきたことを丸山課長は実感しています。合せて自分達がどこまで負担するかで、行政のコストも変わってくるということ、基本的には自分達が出すごみは自分達が責任を持たなくてはいけない。という意識も出てきています。
「条例でもって規制するのではなく、まちの人の自発性にまかせてやっていきたいものです。」希望をもって語る課長の心強い言葉に頼もしさを感じました。
(江東区環境清掃部清掃リサイクル課 丸山雅明清掃リサイクル課長、藤井聖子主事)
(取材 RING編集委員)
TOP BACKNEXT PET
Vol.11PETボトルリサイクル推進協議会