RING PETBOTTLE RECYCLING
会員企業訪問 キリンビバレッジ株式会社 湘南工場
 
環境でも先駆ける、清涼飲料工場のトップランナー
最新・最善の設備を導入

築地工場長清涼飲料業界では最大規模となる年間約3,000万ケースの生産能力を誇る、キリンビバレッジ湘南工場。1973年に操業を開始し、敷地面積は約91,000m2(東京ドーム約2個分)。工場設備には、壁面に設置された太陽光パネルや、コジェネレーションシステム、ボイラー燃料の天然ガス100%転換など、環境対策について最新・最善の設備を導入しています。また、操業開始以来、常に地域共生を心がけ、小学校の社会科見学の受入れや、年4回の工場周辺美化活動などを行っています。1998年にはその活動が認められ、神奈川県より「地域共生型工場」として表彰を受けています。

いちはやくPETボトルを内製化

製造担当部長 松並氏(左)、古谷氏(右)PETボトル飲料については、「湘南工場のPETボトルの歴史が、キリングループのPETボトルの歴史」と言えるほどその取り組みは早く、1991年からPETボトルを内製化。最初はベースカップのついた炭酸飲料用の1.5L。そして、1994年にワンピースの「自立型耐熱圧PETボトル」を開発。
これによってボトル素材が単一化されてリサイクルが容易になりました。その後、PETボトル製品の需要が増えてきたため、設備を増強してインラインブロー方式とプリフォーム製造ラインを自社内に。プリフォームの射出成型はとても難しく、製品化まで実に4〜5年かかりました。工場内でPETボトルを生産していることのメリットは物流面にもおよび、トラック台数を大幅に減らすなど、環境負荷低減に大きく役立っています。

チャンバー方式無菌充填の先駆け

広報担当主任 江口氏湘南工場では、1994年に世界初となるチャンバー方式でのアセプティック(無菌)充填を確立。そして2000年には、PETボトルのプリフォ ームをブロー成型して無菌充填を行う、一貫した「インラインブロー無菌充填システム」を導入しました。それまで実施していたホット充填では、中身を80〜 90℃の高温にして容器の内壁を殺菌するため、冷やして飲む清涼飲料でもPETボトルに耐熱性を持たせなければなりませんでした。それが常温で充填できるようになったため、PETボトルの耐熱性が不要となり、薄肉軽量化が実現。省資源化によって、環境負荷低減に大きく貢献できるようになりました。

また、それまでボトルの殺菌に48時間かかっていたものが数秒で終わるようになり、生産性も向上。さらに、冷却したまま充填できるた め、生茶などは味や香りが高いレベルで保持できるようになりました。

チャンバー方式無菌充填の先駆け

社員が利用する食堂の分別ステーションここ湘南工場をはじめ、自社工場である舞鶴工場でも廃棄物をすべて再生利用しており、再資源化率100%を達成。同じ可燃物でも割り箸と紙ごみを分けるなど、見学した食堂の分別ステーションでも30種類に分別しています。
PETボトルについては、プリフォームは再生材として戻し、充填後のものは外部に有価で引き取ってもらい、ペレットから繊維やトレイ などにリサイクルしています。

さらなる環境負荷低減を目指して

さまざまな努力の積み重ねによって、CO2排出量原単位を1990年比6%削減など、環境負荷低減に大きな成果をあげている湘南工場。キリンビバレッジは、ペコロジーボトルなどPETボトルの軽量化でも先駆けていますが、現状に満足することなくさらなる軽量化に取り組んでいます。その開発は、軽さ・薄さと充填・生産効率のせめぎあい。さらに軽量化ボトルを扱う技術を高めていかなければいけません。これらの難題を前にしながら「極限の軽量化はどこまでか、追求は続きますね」と語る古谷部長。環境への配慮と、安心・安全でおいしい製品づくりはこれからも続いていきます。

執行役員 湘南工場長 築地 輝夫
(2011年1月現在)
環境安全室 製造担当部長 松並 正純
(2011年1月現在)
製造担当部長 古谷 文明
総務担当 広報担当主任 江口 早苗
<概要データ>
キリンビバレッジ株式会社 湘南工場
〒253-0101 神奈川県高座郡寒川町倉見1620 TEL.0467-75-6161 FAX.0467-75-6169
敷地面積約91,000m2
建築面積約46,000m2
年間生産量約3,000万ケース
操業開始1973年6月
生産品目お茶系飲料、コーヒー飲料、機能性飲料など、約50種類を生産
 
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