RING PETBOTTLE RECYCLING
資源循環型社会形成を目指して 〜市町村紹介〜
 
東京都 八王子市
緑豊かな街を守るための資源循環システム。
資源化センターで手選別 圧縮・梱包されたベール品 (左から)佐々木氏、小池氏、山口氏
PETボトル収集は、集積所でのモデル回収から

古くは織物の町として栄え、現在では日本有数の学園都市として知られる東京都八王子市。森林面積が市域全体の40%以上を占める緑豊かな地域で、人口は東京都多摩地域で最多となる58万人。そして、21校もの大学を有しています。

PETボトルの資源回収は、1996年6月の集積所モデル回収からスタート。その後、1998年より市内のスーパーや酒販店の店頭回収ボックスで週2〜3回の回収に移行し、2004年10月には、それまでの拠点回収に加えて全市域での集積所回収を実施。
2010年10月からは戸別回収となりました。PETボトルはプラスチック資源化センターで減容化しています。

ごみ有料化とともに、戸別回収へ移行

八王子市では、排出者責任を明確にして分別を徹底するため、2004年10月のごみ有料化に合わせて可燃・不燃ごみを戸別回収に切り替えました。可燃・不燃ごみは、戸別回収前と比べて約28%の減量化に成功。そして2010年10月から資源ごみについても、戸別回収をスタートさせました。回収の際はレジ袋の使用を減らしたいという観点から「袋ではなく、かご等の容器で出してください」と住民にお願い。戸別回収になってから、異物が少なくきれいな状態のものが多くなったそうです。

また、ごみ収集を福祉にも活かす「ふれあい収集」制度を取り入れています。これは、ごみ出しが困難な一人暮らしの高齢者や障害者を対象に、職員が自宅前に置かれたごみを収集し、その際に安否確認するという仕組みで、高齢者の方々から喜ばれています。

きめこまかく実施した啓発活動

清掃車で、ごみ投入体験資源化拡大、資源物の戸別回収がスタートする際は、市民センターで20回以上にもおよぶ説明会を開催。それに加えて地域ごとの出前講 座は300回ほど実施しました。また、多くの大学にも出向き分別の方法などを説明しています。
八王子市は留学生などが多く、さまざまな国の人が住んでいるため、収集カレンダーは6ヶ国語に翻訳して配布しています。

子供たちに対する啓発活動としては、小学4年生を対象に工場の見学などを実施し、環境副読本を作成し配布しています。また、小学校に 清掃車を運び、ごみを入れる体験をしてもらう出前講座も実施しています。

最新の設備を備えたプラスチック資源化センター

2010年10月に完成したプラスチック資源化センターは、容器包装プラスチックおよびPETボトルを選別、圧縮、梱包し、出荷しています。処理能力はプラスチックが最大40トン/日、PETボトルが最大12トン/日。センターができる以前は、PETボトルを収集しても全量処理できる能力がなかったため、しかたなく一部を独自ルートで処理していましたが、この施設が出来てからは全量を指定法人ルートに納めています。

センターは、人にやさしい構造になっており、ストックヤードの天井付近から消臭剤をまいてにおいが出ないようにしたり、VOC(揮発性有機化合物)の除去装置(光触媒と活性炭吸着方式)を導入したり、選別ラインでは、まず比重差選別機でおおまかに分けてから手選別へ流すなど、作業環境の改善に積極的に取り組んでいます。
また、センター自体が太陽光を多く取り入れる構造になっているため、選別ラインに限らず、全体がとても明るく、環境施設のこれからのあるべき姿を示しているように感じました。
(取材日:2011年1月13日)

環境部ごみ減量対策課
課長 山口 清隆
主任 小池 博信
主任 佐々木 和美
 
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