“PETボトルは資源”の意識が市民に定着
先端技術産業の都市部、近郊型農業の平野部、広大な森林の中山間部、漁業も営まれる沿岸部と、多様な地域性を持つ浜松市。2005年7月に、12市町村の合併で、面積は約1,520ku、人口は約82万人になりました。人口については現在も増加傾向にあり、外国人の定住者も多く、大量生産、大量消費によってごみが増加したことから、官民一体で排出抑制、環境負荷低減を目指しています。
容器包装リサイクル法の制定を受け、1997年4月に資源物としてPETボトルの分別回収を開始。開始当初の回収量は660トンでしたが、2004年には1,890トン、合併後の現在の回収量は2,036トンと順調に増加しています。「“PETボトルは資源”という意識が市民に定着しているので、いつもきれいなPETボトルが集まり、非常にありがたく思っています。」と武藤グループ長です。
7,982ヶ所の集積所に専用コンテナまたは専用ネットを置いて、隔週および月1回、回収しています。PETボトルの排出ルールについては、合併以前の方法を継続している地区もあり、2013年の全市統一を目指して活動中です。全体の80%以上を占める浜松処理区の場合、キャップを取り・ラベルをはがし・中をすすいで・つぶして出す、を基本に、PETボトル・びん・缶でコンテナを色分けし、隔週に回収。PETボトルについては全量が指定法人ルートに納められています。
3R推進のためのさまざまな取り組み
市では、紙類・古着類、アルミ類、生きびんの集団回収の協力金交付や、市の施設やスーパーなどでの拠点回収、生ごみ堆肥化のためのコンポストの配布、剪定枝葉などの再資源化、廃食用油のごみ収集車の燃料化など、さまざまな3R推進活動が行われています。中でも大切なのがごみの出し方と減量の啓発で、パンフレット、出前講座などによる啓発を行っています。また、自治会への奨励金の交付、環境美化推進員の配置なども効果を上げているようです。2008年10月からは、事業者、市民と協定を締結して、レジ袋削減に取り組んでおり、協定事業所でのマイバッグ・マイバスケット持参率は85.9%にまで達しています。
親子で学べる環境学習
子供たちのごみ減量や省資源・環境保全への意識を高めるために、さまざまな取り組みが実施されています。社会科副読本、ポスター/標語コンクール、作文コンテストの実施、リサイクル処理施設などの親子見学会など、さまざまな環境学習の機会が設けられています。小中学校、自治会、一般の方も含む処理施設見学会は、7施設合計で年間279回、21,047名もの市民が参加しています。
「やらまいか」精神の浜松
浜松市には浜名湖、遠州灘という観光資源があり、浜名湖岸の自治体による清掃活動“浜名湖クリーン作戦”や、遠州浜の景観を維持するウェルカメクリーン作戦が実施され、多くの市民が参加しています。その合言葉は「やらまいか」。静岡西部の方言で「やろうじゃないか」を意味する言葉で、何事にも挑戦する意欲を表しています。この「やらまいか」精神が、浜松市民の環境に対する高い意識を支えているように感じられました。
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環境部 資源廃棄物政策課 課長 |
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一ノ瀬 秀次 |
同課 専門監 課長補佐 事務取扱 |
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野中 敬 |
同課 指導許可グループ長 |
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武藤 邦弘 |
有限会社西遠デトリー 代表取締役 |
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永田 晴康 |
同社 営業部長 エコアクション21担当 |
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阿部 裕太 |
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