RING PETBOTTLE RECYCLING
資源循環型社会形成を目指して 環境学習の現場から・リサイクルプラザに行こう!
 
千代田区
日本の中心地で行われる、事業者への分別支援。
グラフ
事業者中心のPETボトル回収
 国の機関が集中し、大企業の多い大手町、丸の内を抱える千代田区には、夜間4.6万人、昼間85.3万人(2008年度)と、昼夜の人口差が非常に大きいという特徴があります。2001年11月に東京ルールIIIによってスタートした千代田区のPETボトル回収は、2007年10月から全区で集積所回収が始まりました。3,385ヶ所の集積所、22ヶ所の集合住宅から週1回、171ヶ所の店頭回収拠点からは日曜日を除く毎日回収されています。現在のシステムになってから飛躍的に伸びた回収量は年間で380トンに達しています。事業者であっても日量50kg以内と小規模な場合は、区が回収しています。なお、千代田区だけの特別な例に「皇居」があります。PETボトルの分別については宮内庁が直接管理し、独自に処理されているようです。
啓発活動と事業者表彰
 区民への啓発は、広報誌と、分別排出を詳しく掲載した冊子を中心に行われています。間違って出されたものには警告シールが貼られますが、それでも引き取られない時は、専門チームが中を調べて説明に伺います。しかし、入れ替わりが激しい小さな雑居ビルには何度も足を運ばなければならないのが現状のようです。
 床面積1,000u以上のビルの事業者には「廃棄物管理責任者」を選任してもらい、排出状況報告が提出されています。それに基づいて数年に1度、立ち入り調査を行い、特に良好な事業者を表彰しています。調査件数は年間200件ほどで、年間数社、累計で20社以上が表彰されています。今回はごみ減量とリサイクルへの取り組みが積極的で優れていた、当推進協議会会員である「東洋製罐(株)」(内幸町)が表彰されました。また、小学校などにも出掛けて、遊びながら学べる分別指導を行っています。環境月間の6月には「環境リサイクル祭り」を開催。ボランティアや事業者にも協力してもらって、環境についての啓発を行っています。
収集を安否確認にも利用
 千代田区では、要介護認定されている方の玄関先からごみを収集する「ふれあい収集」を行っています。以前は伺う度に声掛けもしていましたが、煩わしいと感じられる方もいらっしゃるようなので、今はごみが出ているかどうかで安否を確認しています。ごみが1週間も出ていないときは、ケースワーカーを介して安否確認を行っています。
軽量化の意外な影響
 千代田区から回収されたPETボトルの中間処理を行っている、(株)トベ商事の木村氏によると、軽量化されたPETボトルが風力選別の際にラベルと一緒に飛ぶことがあるとのこと。リデュースのために必要な軽量化ですが、集める側からすると、ボリュームが同じで重量が減るため、労力は一緒でコストは割高という意外な一面があるそうです。ただ、これから増えていく軽量化PETボトルには、さまざまに工夫を凝らし、柔軟に対応していきたいという木村氏でした。
千代田区環境安全部千代田清掃事務所 ごみ減量係長 高橋 正雄
管理係長 鈴木 雅英
計画主査 橋本 正二郎
作業係長 乙部 昌広
株式会社トベ商事 営業グループ営業部参与 木村 誠一
 
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