RING PETBOTTLE RECYCLING
東京23区PETボトル回収の“いま”
 
世田谷区
区民の皆さんの声により
店頭回収に集積所回収が加わった
 世田谷区では、店頭回収と集積所回収の二つの手法によって使用済みのPETボトルを回収しています。とは言え、集積所回収は2008年10月に始まったばかりで、まだ1年にもなりません。それ以前の1997年7月から2008年9月までは、コンビニやスーパー等の量販店を拠点とした店頭回収だけでPETボトルを回収してきました。事業計画担当の藤井係長によると、「私は、販売した店が回収する店頭回収が、<拡大生産者責任(EPR)>の観点から見て、それが本来の姿であると考えています。」とのことです。

店頭回収の推進に当たっては、当初の週3回から日曜日以外の週6回へと、回収頻度を大幅に増やしたほか、PETボトルを積極的に回収しているスーパーのPR、推奨にも力を注いできました。“店頭回収優先”の方針は、月2回の集積所回収がスタートした現在でも、そのまま維持されていますし、今後も「店頭回収が基本」というのが世田谷区の考え方です。

では何故昨年になって集積所回収が加わったのでしょうか。これには、区長会での「可能な限りPETボトルを集めていきましょう。」という決議も影響していますが、集積所回収を希望する区民の皆さんの声が大きかったことにその理由があるようです。

店頭回収だけの時代には、夏場には回収量が60%増しになったこともあるようですが、集積所回収が加わった現在の年間総回収量がどの程度になるかは、まだ回収量のピークと考えられる夏場を経験していないので、想定が難しいようです。回収されたPETボトルの品質については、「店頭回収は、とても綺麗です。区民の皆さんの意識の高さがはっきり現われています。」と胸を張ります。ただ集積所回収については、「残念ながらPETボトル以外のものが混じっている場合もあって、異物除去のための中間処理に手間がかかります。」とコメント。そして「それだけに区民の皆さんに対しては、ぜひ適正なかたちで出していただくよう、これまで以上に強く呼びかけていきます。環境学習のほかチラシやハンドブック等の配布も十分に活用しなければなりません。」とのこと。「そのためには、PETボトルがきちんとリサイクルされているかどうかを、区としても十分に確認していきたいのです。」と付け加えます。また、子供向けの環境学習にも熱心に取り組んでいます。「毎年60ヵ所位の小学校や保育園などに清掃事務所の職員が出向き、ごみ減量・リサイクルの環境学習を行っています。啓発活動は大切な要素ですから、今後も積極的に推進していきます。」と普及啓発担当の荒井係長は語ります。

世田谷区では、主に店頭から回収されたものを処理する「叶L和運輸」と主に集積所から回収されたものを処理する「品川運輸梶vの二つの中間処理施設で、PETボトルを処理しています。前者のPETボトル処理施設は高効率ラインの設置によって僅か6人で処理作業が進められる設計となっている点が、後者においては、毎日30分間清掃の時間をとって施設内を常に清潔に保つとともに、騒音や臭いが外に出ないように配慮している点が、大きな特徴と言えます。両社とも、様々な努力と工夫を積み重ねて、使用済みPETボトルの品質向上に努めています。
清掃・リサイクル部事業課事業計画担当 係長 藤井 憲一
清掃・リサイクル部事業課普及啓発担当 係長 荒井 茂 
品川運輸株式会社 代表取締役社長 毛塚 眞次
         同社環境部部長 久我 信一
株式会社伸和運輸 代表取締役 宮ア 保男
同社ペットボトル減容施設担当 横田 幸則
 <世田谷保育園/山崎小学校>
世田谷保育園ではPETボトルを再利用した特注の子供用作業着を着てパッカー車での収集体験を行いました。また、山崎小学校では3Rについて、より詳しく環境学習を行いました。子供たちは区職員の話に興味津々。ごみを減らし、正しく分けることの大切さが、次の世代に確実に伝わっています。
 <世田谷保育園>
 <山崎小学校>
 
TOP BACKNEXT
RING Vol.22PETボトルリサイクル推進協議会PET