RING PETBOTTLE RECYCLING
資源循環型社会形成を目指して 〜市町村紹介〜 青森県青森市
PETボトルは100%指定法人ルート。ベール品質は常にAランク。
 青森市は、2001年4月からPETボトル分別収集を開始しました。2005年4月に隣町の旧浪岡町と合併し(旧浪岡町では2000年4月からPETボトルの分別収集を開始)2007年9月現在、人口31万人。2006年10月1日から中核市に指定されています。
 PETボトルに限らず、空き缶、ガラスびんといった資源ごみは、処理施設であるECOプラザ青森に集められます。(古紙類、生びんは古紙リサイクル事業協同組合で処理。)可燃ごみ、不燃ごみ等の収集・処理体制は青森・浪岡地区でそれぞれ異なりますが、2014年の新ごみ処理施設の操業開始時までには全市で収集・処理体制を統一する予定です。
100%指定法人ルート(636t) ベール品質Aランク リサイクル率90.92%
専用ネットでPETボトルを単品回収します  PETボトルは2週間に1度、ステーションで単品回収します。その際、キャップを取って、中をすすいで、つぶして出してもらうようお願いしています。市民の排出しやすさを考えて、ラベルについては取らずに排出できるようにしています。市民の生活の中で関心が高いことは、(1)資源ごみを含んだごみの排出と、(2)冬場の積雪です。ステーションには積雪対策や、カラス対策のために専用ボックスが設置され、その中にある回収ネットにPETボトルを排出します。「資源ごみについてはもっと分別に努力いただいて、さらにリサイクル率を上げていきたいです」と語る小笠原課長です。
3Rの推進はパートナーシップから
青森市の3R推進、循環型社会形成への取り組みは、市民・事業者・行政の3者が、パートナーシップを築き、それぞれの役割を果たしていくことにあります。 「それぞれの役割を果たしていくことが大切」と語る小笠原課長(中央)
 たとえば、「まちづくりワークショップ」では、20名ほどのメンバーを市民から公募し、ごみの減量化、リサイクルの方策を、まず市民の視点で考えます。行政からの押し付けではない、新しい考えが生まれ、モデル事業を通じて全市へ展開できます。清掃ごよみを毎戸に配布するとともに、「ごみ出しルール向上推進事業」では、ごみ出しルールの周知徹底、ごみ出しルールの再確認のための講習会を開催し、むだなごみを減らしていくようお願いしています。市内の全大学・短大で新入生を対象にした「ごみ出しルール説明会」では、ごみの分別方法などの基本的なごみ出しルールを説明しています。他にも、市民・事業者・行政の3者による自主協定“エコル協定”による「レジ袋の削減」。2000年から実施している「使用済み割り箸リサイクル運動」。毎月18日の周辺の土曜日に市民と一緒にごみ拾いをする「市民一掃きデー」など、環境に役立つことは何でも実践しようという姿勢で3Rの推進に取り組んでいます。「リサイクルも大事ですが、これからはリデュースを徹底していきたいです。残念ながら、青森市のごみの排出量は、全国平均よりも多いですから、ごみ減量になることであれば何でもしたいと思っています」と語る小野寺所長です。
 青森市民一人ひとりの環境に対する理解と協力が3Rの推進には欠かせません。市民が参加しやすい方法で、理解を得ながら一つひとつ着実に実践する市と、正しい分別を心がける市民。国の推進する循環型社会形成に向けて、市全体に3Rの輪が広がっていました。 青森市環境保全シンボルキャラクター「エコル」くん
ECOプラザ青森 ―学習もできる資源処理施設
青森市大字戸門字山部50 TEL:017-763-2730
施設で処理されたAランクベール  ECOプラザ青森は、2002年4月に操業を開始しました。民設民営の処理施設として、青森市内から排出される、PETボトル、空き缶、ガラスびんが運び込まれてきます。選別ラインは、(株)青南エンジニアで製造され、独自の技術により、作業時間の短縮、効率化を実現しています。2007年の施設見学者は1571人。各学校や団体からも見学依頼を受け付けています。
 取材当日、市内の小学4年生の子供たちと一緒に施設を見学しました。ビデオを視聴した後、子供たちからは「1日のゴミの量は?」「何が一番多いの?」「何に一番苦労してるの?」などなど、するどい質問や意見がつぎつぎと投げかけられましたが、説明にあたった高橋課長代理は、一つひとつわかりやすく丁寧に答えていました。施設内の見学用ルートでも、子供たちは現場の職員の仕事を熱心に見学していました。
 環境負荷低減へのさまざまな取り組みを実践する青森市は、「3Rを実践して環境にやさしい循環型社会」を目標に、常に市民と共に考え共に行動しています。
子供たちに説明する高橋課長代理
※中核市: 日本の大都市制度の一つで、政令で指定された人口30万人以上の都市。都市の規模に応じて、政令指定都市・中核市・特例市の区別がある。
TOP BACKNEXT
RING Vol.22PETボトルリサイクル推進協議会PET