RING PETBOTTLE RECYCLING
3R新時代の展望 3R推進マイスターから ひとこと
 
「あぁ、半井が言っていたな」ということで 実行してくれるようになったらな、と思っています。
気象予報士になるきっかけは、祖母から教えてもらった災害の怖さ
気象予報士 半井小絵
RING 半井さんが気象予報士になろうと思ったきっかけはなんですか。

半井 以前は銀行員でしたが、勤めて数年たった時に、何か一生の資格が欲しいなと思い、たくさんあった選択肢の中から気象予報士を選びました。
 1934年(昭和9年)に関西を襲った室戸台風の被害にあって九死に一生を得た祖母から、”災害は怖い”ということを幼い頃に聞かされ、いつも天気予報をチェックしていた祖母の姿を見るうちに、自然と天気に興味を持つようになっていたことが気象予報士を選んだ理由のひとつかも知れません。

RING 天気予報の醍醐味はなんでしょうか。

半井 天気予報って書かれた原稿を読むだけで、誰にでも簡単にできると思っている方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。実は私もこの世界に入った時は “お天気お姉さん”といった感じで、そう思っていたんです。でも実際は、話す内容から画面、使用するVTRまですべて自分で考えて構成しなくてはなりません。話す内容についても、その日のポイントを1つに絞ります。日本列島は南北に長いので、雨や晴れ、暑い寒いなどさまざまな気象状況があるので、個々に説明していると見ている人が混乱してくるからです。たとえば、明日は「梅雨の晴れ間」ということを強調しようと思ったら、たとえ九州で雨が降っていようが、それが大雨でなければ「梅雨の晴れ間」をテーマに話します。その、絞り込むということが難しいです。構成から、テーマの絞り込み、解説までスムーズにいったときはうれしいですね。

RING それは気象予報士の解説が、それぞれ違うということですか。

半井 違いますね。台風が近づいてきたり、災害が起こりそうなとき、気象予報士はその情報に集中しますが、明日が穏やかな日和と思われる場合は、「この時期の歳時記をとりいれようか」という人もいれば、「明日は久しぶりに晴れです」という風に、晴れ・雨カレンダーを作って見せる人もいるでしょう。風流な感じにしたければ、「アジサイが色づいてきました」と言って、しとしと雨が降っているお寺の映像を出して、“明日はこんなに風流な映像ではないかもしれませんが、久しぶりの日差しがまぶしそうです・・・”というような方に結びつける。人それぞれ、いろんな見せ方ができるんですよ。

RING ビジュアル的にわかりやすく説明されていますよね。

半井 そうですね。たくさんの情報をそぎ落として、シンプルにして、お子さんにもわかるようにするのは難しいです。人がやっていると簡単そうに見えることが、いかに大変なことか、自分が体験してみてわかりました。それに、この仕事は「命にかかわっているんだ」ということを日々実感しています。たとえば、災害が起きそうだといったときは、その地域の方々がどんな情報を知りたいのかを考えます。つねに気を引き締めてやらなくては、という思いでいっぱいになります。
自分の一言が、行動を起こすきっかけになってくれたら
RING 3R推進マイスターは環境省からのご推薦で引き受けられたのですね。

半井 気象と自然環境、地球温暖化は密接に関係しています。私もそれに興味があって講演などもしていましたので、それで環境省の方から3R推進マイスターに推薦されたのかなと思います。

RING どういったところで講演をされているのですか。

半井 最近では、淡路島であったG8のプレフォーラムで記念講演をしました。あとは市町村や小学校の環境の授業で行ったりしています。

RING 小学4年生から環境学習が始まりますね。

半井 そうですね。平日の午前中ですから、多くは行けませんが、時間が合えば行っています。

RING 子供たちの反応はどうですか。

半井 主に地球温暖化について話します。「ヒマラヤの氷河が20年間でこんなに溶けているんだよ」というと、その映像を見て「あぁ、そうなんだ」と実感してくれますね。でも、子供たちは自分たちがCO2の排出をしないためにはどういうことをしなきゃいけないか、結構わかっているんですよね。たとえば電気をこまめに消したり、ライフスタイルを変えなければいけないということをわかっています。それを、果たして何人が実行に移すのか。そんなとき「あぁ、半井が言っていたな」ということで実行してくれるようになったらな、と思っています。
私は、学校に限らずどの講演でも、あまり提言はせずに、自然界でおきている事実を伝え「では、どうすれば良いでしょうか?」という程度で、自分の意見を押し付けるようなことはしていません。自分自身で考えて、無理をせずに、一つでもいいからできることから始めてほしいからです。一人ひとりの活動は小さいけれども、波紋が広がるように活動も広がっていくといいですね。

RING 3Rの取り組みも同じことですね。
リサイクルは基本ルールを守ることが大切
気象予報士 半井小絵
RING 最後に、PETボトルに関してご意見やご感想をお聞かせください。

半井 いつでもどこでも好きなところで飲めるというのがいいですね。軽くてキャップが閉まるので、バッグに入れても安心して持っていけます。リサイクルに関しては、ポイ捨てをせず、きちんと分別して、回収ステーションに持っていくという基本ルールを守ることが大切だと思います。一人ひとりができることというのはそういうことですよね。子供たちもリサイクルの大切さは理解しています。
 大雨の増加、強い台風の発生といった気候変動にCO2が大きく関係しているということは、科学者が結論づけています。リサイクルを繰り返すことで新しい材料の使用が減って、CO2の排出が減っていくことを期待しています。

RING 気象予報士として、また3R推進マイスターとして、ご活躍を期待しています。本日はありがとうございました。
NHK広報局広報部にて
室戸台風は上陸時の中心気圧が観測史上最も低い台風である。 これは台風における中心気圧の最低記録としていまだに破られていない。
過去、日本に上陸した中心気圧が低い台風
1位 室戸台風(1934年[昭和9年])・・・・・ 911.6 hPa
2位 枕崎台風(1945年[昭和20年])・・・・ 916.3 hPa
3位 第2室戸台風(1961年[昭和36年])・・ 925.0 hPa
 
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