株式会社リッチェルは、自然豊かな富山市内に本社工場を構えるプラスチック製品の総合メーカーです。環境用品や園芸用品、ベビー用品、介護用品など生活に密着した製品を作っています。 再生PET樹脂製品を作り始めたのは、<自動販売機の横に設置する回収箱に使用済みPETボトルを材料として使いたい>という地元の飲料メーカーからの要望がきっかけでした。回収箱は従来、PP(ポリプロピレン)で作られていましたが、PET樹脂は成型が難しく、現在のような製品になるまでには長い時間がかかりました。「当初は、どうすればうまく成型できるか答えがなかったので、手探り状態のまま試行錯誤を繰り返しました」と、堀田課長は当時を振り返ります。 再生PET樹脂製の回収箱の容量は90L。全体の85%がPET樹脂です。耐用年数は3年をめどにしています。PET樹脂製の回収箱は比重が重いので空箱の状態でも風で飛ばないという特徴があります。
原料となるフレークについては、異物を除去したものを使用していますが、完全には取り除かれていないので、異物の混ざり具合をみて機械の条件を変えながら成型を行っています。フレークは地元の再商品化事業者から購入しています。
現在はエコ商品に限らず、小ロット多品種を要求されるので、工場では一度に多様な商品を製造しています。製造段階で出た不良品などは同じ敷地内にあるリサイクル工場で、粉砕・成型し、再利用します。 エコ商品に関しては消費者の認識は個々に異なります。ゴミ箱はエコ商品として認識されているので「再生材を使ってほしい」という要望がありますが、たとえばプランターなどの園芸用品は「再生材を使用しています」といっても、消費者にはなかなか伝わらないのが現状です。「まだまだ、どの分野の商品でも価格優先で選ばれることが多いです。再生PET樹脂製品のニーズが少ないということは、他の製品への展開ができないということです。消費者の環境に対する意識がもっと高まってほしいですね」と久保田氏は語ります。
地元・北陸で発生した資源ごみを、地元で回収し再生する。リッチェルは地域の中にできたリサイクルルートを活発に循環させる、地域貢献度の大きいエコ企業として飛躍しています。
(取材:RING編集委員)
第二営業部第二企画課長 堀田 裕二
第二営業部第二企画課 久保田 勝彦
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