本州の玄関口として、古くから交通の要所となっている本州最西端の都市、下関市。2005年2月に1市4町が合併して人口が約30万人となり、山口県唯一の中核市となりました。 1997年にPETボトル回収を開始。さらに2003年には指定ごみ袋制によるステーション収集を始め、収集頻度は月2回に。2006年のPETボトル収集量は557.08トンです。全市約5600ヶ所のステーションで収集され、リサイクルプラザと、クリーンセンター響の2ヶ所で処理されます。2003年から、PETボトルのキャップとラベルははずして、ボトルはつぶして排出するようお願いしています。 市民への啓発活動として、“ごみ百科”と“ごみカレンダー”の配布、小学校や老人クラブなどへの出前講座を行っています。また、「ごみダイエットリサイクル推進店認定制度」で、ごみ減量・リサイクルに取り組んでいる店を「リサイクル推進店」として認定し、市の広報紙での紹介もしています。「認定されることで店舗のステータスが上がるような、実効性のある支援体制を築いていくことが今後の課題です。」という加藤氏です。
3Rの取組み−ごみの総量の減量
市では、可燃ごみ以外の、PETボトルなどの資源ごみも指定ごみ袋を使って、有料で収集しています。下関市の信念は「ごみの総量の減量」。リサイクルは万能ではないと市民に訴えています。 指定ごみ袋は4種類((1)可燃ごみ、(2)びん・缶、(3)PETボトル、(4)プラスチック製容器包装)。スーパー、コンビニ、その他商店などで販売されています。市民の方々に意識を高く持ってもらうための有料化でしたが、根気強く説明をし、理解してもらったおかげで、収集ごみの総量は20%程下がりました。
リサイクルプラザ主導の環境学習
3Rの拠点である下関市リサイクルプラザ「環境みらい館」には、年間約3万人の見学者が訪れます。夏場は特に小中学生の子供たちが多く来場します。地元の小中学校には、リーフレットなどの環境学習グッズを配布し、循環型社会を子供の時から意識してもらうように努めています。 また、環境学習の取り組みの一つとして「ごみ探検教室」も行っています。夏休みに親子参加型で、リサイクルプラザ、焼却施設、最終処分場の3つ全ての施設を見学します。その時は“中央制御室”や“プラント内”など、普段は関係者以外立ち入り禁止の場所まで見学しますので、「現場の人たちの大変さを目の当たりにするので、子供たちに非常によくわかってもらえます。」という藤津氏です。 様々な点において環境への配慮を怠らない下関市。資源循環都市の実現は、市民の理解を得ながら、着実に前へ進んでいます。
(取材:RING編集委員)
下関市リサイクルプラザ 所長 藤津 はるみ
下関市環境部クリーン推進課 係長 熊井 一雄
下関市環境部クリーン推進課 主任 加藤 修
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