RING PETBOTTLE RECYCLING
主体問連携に資する取り組み
公文 それでは、最後に、横田課長も消費者・市町村・事業者が横断的に参加する懇談会を開催されていらっしゃいますが、主体間連携というテーマでご意見をお願いします。

横田課長 推進協が実施されている事業の中で、私自身が一番期待しているのは、PETボトルのフローに関する調査です。 調査を通して、どのような方々がPETボトルを扱っているのかということを関係者が理解できれば、全体がどういうシステムであるかもわかるようになるのだと思います。

調査の中で、事業系の回収についても調べられていますが、この分野の調査を今後も継続していただくことが全体像の把握に有効であると思います。調査を通して、全体像が見渡せるようになると、どこでだれがちょっとした努力をすると全体がうまくいくのかが分かるようになるのではないでしょうか。その努力をみんなが認識し、お互い助け合うような形で、連鎖反応を引き起こすことができればと思っています。

リサイクルの問題を考えてみると、いろいろなことをやっていても、全体の流れがよくわからないゆえに、結局ばらばらになってしまうというケースが多いので、まずは今やられている全体の流れを把握するという努力をぜひ続けていただきたいと思います。把握した結果をいろいろな方々に理解していただくことが、結構遠回りのようでも、効果のある努力じゃないかと思います。

西村室長 主体間連携については、基本的な考え方でいうと3つぐらいあろうかと思います。1つ目は、地球温暖化といったようなマクロの話と、それから日々の分別収集、たとえばPETボトルのキャップを外して、ラベルをはがして、洗うとか、そういうミクロの行動がつながっているということについて、皆がちゃんと考えるということが一番大事なんだろうと思っています。その一番基本的なところで、それぞれの主体がみんな合意して、「こうだよね」と思うのがまず出発点だと思うのです。あまり環境ファシズムみたいになっても怖いんだけれども(笑)、そういうのがある。

2つ目は、これはちょっと辛口の話になるんですけれども、先ほどから、協働ということがあがっていますが、それぞれの主体がその役割を果たすということが大事だろうと思います。実際には、これは必ずしもPETボトルの世界でということではないんですが、それぞれの主体がほかの主体に対して「何でこんなことをもっとしてくれないんだ」という感じになっている部分が、実はかなりあるように思うわけです。

たとえば、事業者の側は「何で市町村はもっと厳密な収集を進めてくれないんだ」とか、市町村の側は逆に事業者の側に「何でもっと軽量化をしてくれないんだ」「単一素材にしてくれないんだ」とか、お互いに期待というか、非難し合っているようなところもある。協働というのは、それよりもまず自分のできることをやっていくことが先なのかなと思っています。

3つ目は、先ほど、市場と制度と運動ということをいいましたけれども、そのうち一番大事なのは運動で、主体間連携の運動の場は常に地域です。リサイクルの制度の部分は国なのかもしれませんが、実際に行われるものはすべて地域。まちづくりという発想で、自分たちの町をどういうふうに良くしていくかという観点で、地域の中で消費者、市町村、事業者がそれぞれ何ができるかを考えるのが主体間連携なのではないかと思っています。

リサイクル製品の説明を受けるRING委員公文 たくさん貴重なご意見をいただきました。最後に会長から一言お願いします。

中山 きょうはお忙しいところご出席いただいて本当にありがとうございます。いろいろな貴重なご意見を私たちは謙虚に受け止め、今後会話する機会を持ち、市町村のご意見も十分に伺いながら、地道に自然と形づくられていくような活動を通して、PETボトル産業は社会に貢献していきたいと思います。国内の循環など、国にはいろいろご協力をいただかなければならないところが多々あると思いますので、今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。
[2007年3月28日 東海大学交友会館にて]
(取材:RING編集委員)
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室 西村室長
経済産業省産業技術環境局リサイクル推進課 横田課長
PETボトルリサイクル推進協議会 中山会長
PETボトルリサイクル推進協議会 松野理事
(司会進行役)PETボトルリサイクル推進協議会 公文理事
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