RING PETBOTTLE RECYCLING
今後の円滑な引き渡しに期待
松野 今般の改正の中で、リサイクル基盤の安定化ということで、特に円滑な引き渡しの問題が基本方針に盛り込まれています。私たちも、2006年10月10日に会長名で各市町村長およびリサイクル担当者あてに、円滑な引き渡しのお願いを出しています。
 2006年度はその効果がなかなか見られませんでしたが、今後は円滑な引き渡しがされるよう期待しています。
横田課長 PETボトルの場合は、マーケットで高く買う方もおりますので、そちらに流れている状況ですね。これを普通の、私たちがよくいう国際資源循環問題の基本的なコンセプトの中にあてはめて議論するのはなかなか難しい気がします。正直いって、古紙にしても海外に引っ張られて需給がタイトになっていると言われていますが、国内の方々はそれなりに必要な古紙は確保されているようです。

ところが、PETボトルの場合は、国内で必要な使用済みPETボトルの確保自体が、値段格差のためにだんだんできなくなっている状況だと認識しています。ただ、これ自体が永続的状況ではなく、例えば北京オリンピックまでの一時的なものである可能性もありますね。いずれにしても、国際市況で物が動くというのはある意味しかたがありませんが、それによって国内の循環システムが破壊され、国際市況が変わったときに、国内できちんと処理できなくなる状況は好ましくないというのが共通の認識になっています。

それを規制とかドラスティックな方法でやるかという問題を皆さんよくおっしゃるわけですが、通常はそういうことはなかなか難しいです。まずは現状に対する認識をみんなで共有することです。国内で処理する体制がきちんと維持されれば、市町村であれ、事業系であれ、自らが取り扱う使用済みPETボトルについての処理を考えられるようになるのではないかと思っています。
実際には、関東圏の市町村は独自処理といっても、国内処理を優先するような条件をつけられていると聞いていますので、意識は徐々に広がっているのではないかと思います。同じように、事業系排出の方々の中でもそういう意識が広まっていけば、一定の効果が出てくるのではないかと期待しています。

基本的には、輸出規制はなかなか難しい状況にあります。問題意識を明確にし、それをみんなで共有化することによって、全体的に最適な方向へ向かうというのが、先ほどの法律の改正の議論と同じかもしれませんけれど、今できることかなと思っています。
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RING vol.19PETボトルリサイクル推進協議会PET