RING PETBOTTLE RECYCLING
リサイクル工場紹介
市町村へのリサイクル啓発からスタート
株式会社帝松サービス
PETボトル再利用品の糸を手に辻井副社長株式会社帝松サービスは、1978年、帝人(株)松山事業所内ポリエステル繊維製造工程の作業請負会社としてスタートしました。さらに、ポリエステル繊維屑回収事業開始(1982年)、バーク(樹皮)堆肥製造販売事業開始(1987年)、PETボトルリサイクル事業開始(2001年)と事業を拡大してきました。
同社のPETボトルリサイクル工場は四国の第1号工場。四国のPETボトルは四国でリサイクルすることによってコストを下げようという趣旨で稼動を始めました。2006年度は四国全体約4,500トンのうち、同社は3,000トンを落札しました。
同社は創業以来、四国中の10万人以下の市町村や公民館に出かけて、PETボトルリサイクルのPRや啓発活動を積極的に行ってきました。環境ビジネスというのは行政や地域社会と積極的にコミュニケーションを取り、共存していかなくてはならないという、リサイクル事業立ち上げに際しての理念がベースにありました。
積極的にPR、啓発したおかげで、10万人以下の市町村のPETボトルはきれいに洗われて、キャップやラベルを取ったものが多く、ランクAのものが多いそうです。しかし、大都市のPETボトルはまだまだ汚いものが多いのです。
「選別ラインにはメインラインとサブラインがあります。これまでの様々な取組みについて語る辻井副社長メインラインにはラベルのないクリアなもの、サブラインにはラベルの取れないものや色ボトルをまわします。ラベルは機械で70%取れていたのですが、最近は小サイズのPETボトルが多くなり、非常に取れにくくなっています。ボトルそのものはクリアですから、メインラインに流したいのですが、サブラインにまわって価格が下がってしまいます。」と辻井副社長。試行錯誤の結果、90%までラベルの取れる方法を検討しているとのことです。
「見学者は、県内外から年間に2,000人ほど。熱心なのは婦人会と子供たち。ここでもリサイクルの正しい知識、分別排出のルールとマナーを守っていただくことを話しています。きれいなPETボトルからつくられるペレット見学者には、各市町村ごとのベールを見せて、比較してもらうようにしています」と辻井副社長は語ります。
 取材後の工場見学で、メインライン、サブラインのペレットを見比べると、やはり透明度に差がありました。キャップや金属の対策はできても、ガラスやラベルへの対応は苦戦が続きます。「ルールを守って出す」。ここでも、その一言の重さを実感しました。
(取材:RING編集委員)
取締役副社長 辻井 修 氏
愛媛県松山市北吉田町77番地
TEL:089-973-6784
FAX:089-973-6983
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