RING PETBOTTLE RECYCLING
再生樹脂利用事業者紹介
試行錯誤の末、完成したPET押出しライン
笠井産業株式会社
 笠井産業(株)は、1946年にセルロイドの廃材を再利用し、靴べらや石鹸箱を作る事業からスタートしました。
 セルロイド(綿火薬にも使用される硝酸セルロースを原料としている)の再利用品は、燃えやすく、危険度が高いため、代替品としての塩ビ製品のリサイクルへと移行。塩化ビニルのリサイクルにも成功、文具下敷きを生産し、全国シェア70〜75%という業界のトップ企業になりました。
しかし、塩ビ製品の誤解に基づくイメージダウンの影響で、使用量、需要とも落ち込みました。そこで当時だれも目をつけていない分野だったPETボトルのリサイクルに着目し、試行錯誤を繰り返しましたが、2001年にPET押出しラインの1号機、2004年には1.5倍の能力の2号機を導入し増産体制に入りました。笠井産業が開発したのが、フレークを使用したカピロンK-APET-BRプレートです。(ちなみに、BRとはBottle Recycleの頭文字を表しています。)
再生PET使用の陳列台
プレートの用途の広がりを語る川添氏
■10mm厚プレート製造ラインも完成
 新しい使用方法として注目されている、ウインドウ型透明カバー現在では0.5mmから5mmの厚さのプレートを製造しています(2mmまでは、PETボトルの再生原料を100%使用。3mm以上の厚みのプレートには、バージン樹脂を混入しています。)フレークを使用しての5mm厚プレートは他社の追随を許していません。これらのプレートは下敷きや定規などの文具、店舗の装飾や販促グッズ、コンビニの陳列台のディスプレイなどに使われ、最近ではマネキンにも加工されています。また、工事現場のコーナーを覆う透明カバーとしても使用され、交通安全の一翼を担っています。透明ですから死角にならないのです。
 カピロンK-APET-BRプレートで加工された製品は(財)日本環境協会が認定するエコマークを取得できます。年間1,200〜1,300トンのフレークを使用し、さまざまな製品に加工されるプレートを提供している笠井産業。最近では10mm厚のプレート製造用のラインも完成し、より付加価値の高いプレート生産へと、意欲をみせています。
(取材:RING編集委員)
総務管理部長 川添 久夫 氏
大阪府八尾市南木の本1−9
TEL 0729−23−3681/FAX 0729−91−7033
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