RING PETBOTTLE RECYCLING
PETボトルの「わざと心」 シリーズ2 PETボトルの改善
 1997年の容器包装リサイクル法のスタートにともなって、本格的なPETボトルの分別収集、リサイクルが始まると、より<リサイクルしやすい素材>へと進化するための技術が進みました。
 前号での、PETボトルの技術革新による軽量化が、<排出抑制>に寄与したことに続き、今号の「PETボトルのわざと心」は、<PETボトルの改善>についてご紹介いたします。
1983年 PETボトル誕生
1992年 大型リサイクルプラント設立
1993年 一体化ボトルとプラスチックラベルの採用
1994年 キャップを、アルミからプラスチックに転換
1997年 容器包装リサイクル法スタート
1999年 着色ボトル廃止
   
一体化ボトルとプラスチックラベルの採用
 PETボトルが誕生した頃は炭酸飲料用に使用されることが多く、そのため、炭酸ガスの圧力からボトルをガードするために丸底形状にした上に、PE(ポリエチレン)のハカマ(ほとんどが黒色)を強力な接着剤で固定していました。また、当時は紙製ラベルが全面糊付けされ、はがしにくい状態でした。リサイクル工程では、PEは分離できても、接着剤が完全に除去できず、再生フレーク製造の工程や品質に負荷を与えていました。
ボトル形状を丸底から突起状にして自立できるようにすることで、ハカマと接着剤が不要となり、ラベルもシュリンクフィルム(ポリスチレン)を使用することにより、糊が不要になりました。
キャップを、アルミからプラスチックへの転換
 アルミ製キャップは、分離工程での完全除去が困難でした。極微量のアルミが残っていても、リサイクル製品の製造工程が乱れ、不良品が多発する原因のひとつになりました。
 キャップをプラスチック(ポリプロピレン)に替えることにより、比重分離での分離効果が上がり、再利用製品化の工程でも歩留まりの向上が見られるようになりました。
着色ボトルの廃止
 中身の飲料保護のために、また商品価値を上げるために、青色や緑色などの着色ボトルが使用されている商品がありましたが、着色ボトルが色識別工程をすり抜けて再生フレークに混入すると、再生フレークの品質が低下につながります。無色透明のボトルに統一することで品質の安定化が図れ、製品歩留まりも向上しました。
 1本のムダもなく、PETボトルがリサイクルされることが私たちの願いです。そのためには、消費者にとっては分別排出のときの手間が少ない、再商品化事業者にとっては再生工程の簡略化、効率アップ、歩留まり向上を考慮したPETボトルを提供しなくてはなりません。
 技術(わざ)の追求・改善の原動力は、PETボトルを、より<リサイクルしやすい素材>にしていき、ムダを排除して環境負荷を低減させるという使命(こころ)にあるのです。
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RINGVol.16PETボトルリサイクル推進協議会