RING PETBOTTLE RECYCLING
環境学習の現場から
リサイクルプラザに行こう!!
 2004年6月「こうべ環境未来館」が誕生
 自然豊かな神戸市西区見津が丘。産業団地の一角に、「こうべ環境未来館」(1,282m2、3階建て)がありました。今年の6月にオープンしたばかりの新プラザです。入館すると、いきなり子供たちの元気な声が聞こえてきました。神戸市内の小学4年生が「環境学習」の真っ最中でした。吹き抜けのホールには公募された子供たちの絵がプリントされたTシャツ(PETボトル再利用品)が掲げられ、PETボトルや、缶、びんが整然と展示されています。孫のような子供たちに説明しているのは、今日がガイドとしてのデビューになるというNPOのボランティアの男性。さまざまなごみや資源物を前にしての分別の指導に、子供たちも熱心にメモを取り、時には鋭い質問も飛ばします。
 プラザの中は、興味を持たせて学習させる工夫が随所に見られる展示ばかり。“触ってはいけません!”ではなく、好きなだけ触って、扉を開いて、中をのぞいて、クイズを解きながらという、子供の好奇心をくすぐる仕掛けがいっぱいです。みんなの目が輝きます。ボランティアの説明にも熱が入ります。
 また、当日は「市民ボランティアガイド養成講座」に応募した方々と一緒に、資源リサイクルセンターの見学をすることができました。年配者に混じって若い方も多く見られ、中には、この日のためにアメリカから参加された学生もいました。最先端設備を駆使した自動選別ラインを流れるPETボトル、缶、びんのリサイクルの工程を熱心に見ていました。
 子供も大人も楽しく学ぶ“環境学習”の拠点に
 ひと通り、プラザとリサイクル施設内を見学してから、神戸市環境局の西谷環境教育係長にお話を伺いました。「神戸市は、2003年11月から全市でPETボトル、缶、びんの混合収集を始めました。それらの資源ごみは現在、隣のリサイクルセンターに運ばれて選別され、PETボトルはベール状に圧縮、梱包されます(PETボトルの処理能力:15トン/日)。分別回収の徹底にともなって市民の環境に対する意識も高まり、先ほどのガイドの募集に関しても、広報誌やインターネットに小さく載せただけですが、30人以上も集まってくださいました」。
 市内には5つのクリーンセンターがあって、合計、年間約12,000人の小学生が見学や勉強に来てくれるそうですが、廃棄物処理の現場を見るだけでなく、環境やリサイクルのことをさまざまに学べるメニューの揃ったプラザが欲しい!「こうべ環境未来館」はそういった期待にこたえる形で誕生しました。「親子連れ、こどもエコクラブ、地域の人々に環境や自然の大切さを知ってもらうための“拠点”にしていきたいのです。そのためにもボランティアの方々の「理解を深めて欲しい」という情熱と責任感が必要なのです。公募してNPOにお願いしている最大の理由はそこにあります。人と人とが触れ合い、<教えて、教えられて>を繰り返していく、お年寄りから子供までの「輪」を大切にしたいからなんです。もっと展示物や説明ツールを充実させて、企画もバラエティあるものにしていきたいと思っています」(西谷係長)。
 環境学習の子供たち、熱心なボランティア、ボランティアを目指す人たち、魅力いっぱいの設備の数々・・・。『環境にやさしい行動・暮らしを始めていただくための、きっかけ作りの場』としての新プラザは、順調にスタートしているようです。
(取材:RING編集委員)



神戸市環境局地球環境課  西谷 寛 環境教育係長
所在地:兵庫県神戸市西区見津が丘1丁目(神戸複合産業団地内)
TEL:078-995-3196 FAX:078-995-3192

こうべ環境未来館ホームページ
http://www.kobe-miraikan.com
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