RING PETBOTTLE RECYCLING
資源循環型社会形成を目指して
埼玉県さいたま市
 2001年、旧浦和市(人口約49万人)、旧大宮市(人口約46万人)、旧与野市(人口約8万人)が合併し、2003年に新しい政令都市「さいたま市(人口103万人)」が誕生しました。大きな問題のひとつが“ごみの収集”でした。
 そこで、各市まちまちだったごみの分別収集方法を一元化するための専門部会が立ち上げられました。話し合いの基本は、市民にとって、これまでやってきたことがムダになるマイナスの統一は避けよう。良いところを集めてステップアップしようということでした。
 「ごみの出し方が変わります」というメッセージとともに、2003年10月からの実施に向けて、広報紙といっしょに全家庭にチラシを配り、同時に各自治会には回覧用チラシを渡しました。説明会も土・日に行い、延べ参加人数は6,500名に達しました。
 PETボトルは缶、びんと同じ「資源物1類」とされ、それぞれが週1回、単品収集されます。PETボトルは中を洗って、はずしたキャップといっしょに透明袋に入れて出します。「びんとPETボトルを分けた結果、旧大宮市域では、ガラス片が混入しなくなったのでPETボトルの品質が格段に良くなりました。実施してからまだ数ヵ月しか経過していませんが、着実に回収量が増えています。隔週を週1回にしたので、溜め置きしなくなったのでしょう。その結果、<燃えるごみ><燃えないごみ>とも減ってきています。3市合併の相乗効果です」と語る鈴木総括主査です。
 リサイクル基金で、子供たちを応援
 10年の歴史を持つ東部リサイクルセンター(さいたま市見沼区)の1日の処理能力はPETボトルは5トン、 昨年度の資源化は856トン。合併後も資源物は旧市内のエリアごとに回収され、従来の施設に搬入・処理することになっています。PETボトルはベールの状態で再商品化事業者に引渡します。
 当センタープラザ棟は、ごみ減量啓発施設として、いつでも自由に見学できるようになっています。ここでは、ごみの流れや資源物のリサイクルなどについて学習できるよう研修室、展示室などを設けています。啓発事業として、小中学生の社会科見学や、自治会、婦人会、夏休みリサイクル学習教室など年間9,000人程の来館者があります。
粗大ゴミとして出され、リフォームされた家具
 また、市民の方から不要となった家具類を引取り、手を加えるなどしたリサイクル家具を展示販売する「リサイクルフェア」を実施しています。販売による収入は「リサイクル基金」として積み立て、環境学習の費用にあてられ、資源循環型社会形成を支える子供たちを支援しています。
 3市の合併で誕生した100万都市・さいたま市。単品収集と環境学習の成果によって、質の良いPETボトルの回収量の大幅アップが期待されます。
(取材:RING編集委員)
さいたま市環境経済局環境部廃棄物政策課
リサイクル担当 鈴木敏明総括主査

さいたま市環境部 東部リサイクルセンター
三ツ木博一主幹

さいたま市ホームページ
http://www.city.saitama.jp
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