RING PETBOTTLE RECYCLING
特別対談 循環型社会は、一人ひとりのリサイクル実践から
実践から育まれる環境意識

西出 循環型社会形成のためには、やはり人という問題が一番大事だと思うのです。国民の自主的な取り組みとか意識の向上が必要です。それには環境教育、学習の推進、環境倫理の確立が大切になってくる。これから子供たちが、そういう社会をつくっていかなければなりません。

大臣 子供の教育については、学校教育はもちろん重要ですが、コミュニティとかクラブ活動を通じての教育は非常に効果があると思います。例えば一緒にサッカーや野球の練習をして、暑い暑いといって、みんなで一緒に飲むときに、「ボトルはきちっと整理しておけよ」とか、「ちゃんと分別しておけ」というように指導すれば、効き目があるんですね。

和田 座学よりも実践ですね。

大臣 これからちょうど夏休みに入るから、本当はこういうことを少しPRしたらいいんですね。サッカーばかりじゃなく、甲子園とか、ああいう人が多く集まるところでの環境学習を実践的に行うことが非常に大事ですね。
そうそう、甲子園で思い出しましたが、金属バットというのは割に折れるんですね。それを捨てないで、きちんと集めて、製鉄の際の還元剤としてリサイクルを進めているんです。こういうこともクラブ活動の中でしっかりと伝達され、これがリサイクルなんだ!と理解されていくといいですね。

*     *     *
和田 コミュニティでの環境学習も大切というお話ですが、大臣ご出身の地元の半田市は環境意識が非常に高くて、全国のモデルになっているとお聞きしています。PETボトルを含めて、町美化で私どもが非常に注目する動きをされておられます。
(社)食品容器環境美化協会※2)という団体が協力支援し、市民と行政がパートナーシップを組んで、町をきれいにしている。11万人の半田市で、110近い団体で約7,000名の方々が町美化活動を展開されて、モデル地区になっているのです。特に小中学生たちの参加率が高いそうですね。

大臣 市長も非常に熱心ですし、市民自らが町美化をやるという、すごく大きなうねりになっています。勉強に来る市町村が非常に多いと聞いています。

*     *     *
左から和田國男氏、大木浩氏

西出 ところで、ヨハネスブルグ・サミット2002(持続可能な開発に関する世界サミット)の会議が8月26日から始まりますが、準備の方はいかがですか。

大臣 地球温暖化の話は、日本は京都議定書を批准しているからいいんですが、まだほかの国が全部批准しない。アメリカが残っているので、我々の仲間に入るよう折衝中です。それはそれとして、日本は人がやらなくてもやるべきことはしっかりとやる、というスタンスです。
今まで先進国がやってきた経済活動の中で、環境問題については十分考慮してこなかったから、今、地球規模で困っている。途上国も同じような間違いを起こす可能性があります。そうならないように日本が力を貸す必要があるのです。
ところで、最近は途上国でもPETボトルは普及しているのですか。

和田 大いに使われています。

大臣 途上国が先進国と同じように大量廃棄に進むのではなく、先進国の経験を活かしてリサイクルを組み込んだ形で発展することが望まれます。

和田 日本のリサイクルの取り組みが途上国にとってのモデルとなるようにしたいものですね。

大臣 日本が世界に対して循環型社会のモデルを示せるように、率先した取り組みを進めていきたいと思います。

和田 大臣、本日は大変お忙しいところ、大変貴重なお話を伺えました。本当にありがとうございました。

大臣 短期間でシステムを整え、リサイクル率も世界で最高水準に到達するという、本当にいい仕事をされていますね。PETボトルのリサイクル促進は非常に有意義なことです。私ども環境省も皆さんと一緒に大いにやらせていただきます。

和田 私どもも頑張ってやりますので、ぜひご指導をよろしくお願いいたします。

※2)社団法人食品容器環境美化協会(略称:食環協)=環境美化、まち美化の推進を事業目的とする公益法人。1973年に協議会として発足。1982年に社団法人に。協議会から通算30年弱、まち美化の推進に向け提案、支援、調査・研究活動を行っている。飲料メーカー7団体で組織。
TOP BACKNEXT PET
PETボトルリサイクル推進協議会