1.2009年度PETボトル回収率
2009年度リサイクル率は90.6%
実質的回収量を把握し、リサイクル量を特定
これまでの回収量X(以下記号は図3を参照)は、環境省速報による市町村分別収集量Bと、推進協議会調査に基づく事業系回収量Cとからなる437千トンです。
実質的回収量Yは、これに財務省貿易統計の「PETくず輸出量」Dを用いて、全体の捕捉精度を高めました。
すなわち下図においての、「PETくず輸出量」D中のPETボトル輸出量Eと、市町村分別収集量B中の国内向け回収量であるF、および、事業系回収量C中の国内向け回収量Gの和である649千トンとなります。
また、この実質的回収量Yの649千トンから、再商品化により得られるフレーク量を特定し、これを分子とする指定PETボトルのリサイクル率90.6%を算出しました。
図3 従来の回収率、実質的回収率、リサイクル率の比較
図3 従来の回収率、実質的回収率、リサイクル率の比較
拡大
千トン未満を四捨五入してあるため、合計数値があわない場合があります。
PETボトル輸出量E338千トン(貿易統計より推計)
2006年1月から貿易統計(財務省)のカテゴリーに「PETくず(使用済みPETボトルを含む)」が新設され、輸出される使用済みPETボトルの量的把握が可能となりました。
推進協議会による輸出内容調査での2007〜2009年度における「PETくず中のPETボトルの割合」は、89.3%でした。結果、貿易統計のPETくず輸出量Dの379千トンにこの89.3%を掛けた使用済みPETボトル輸出量Eは338千トンと推計しました。
PETボトル国内向け回収量は311千トン(推進協調査)
国内向け回収量は、市町村分別収集量B287千トン中の国内向け回収量F254千トン、および、事業系回収量C150千トン中の国内向け回収量G57千トンの和である311千トンとなります。以上から実質的回収量YはE338千トン+311千トン= 649千トンとなります。
再資源化率の調査
経済産業省の資源循環指標(2002年6月)には、資源循環 の目標が「回収・再資源化率」として設定され、その達成を求めています。推進協議会は、この「回収・再資源化率」を「リサイクル率」として2008年度からその試算を行ってきました。
図4 リサイクル率
図4 リサイクル率
表1 再資源化率
  2009 2008 2007 備考
市町村系再資源化率(%) 81.2 81.2 80.4 容リ協データ
事業系、海外再資源化率(%) 77.3 78.2 78.1 推進協推定
回収・再資源化率の定義は、「再資源化を目的に回収された後、再資源化された割合」であり、その再資源化物をフレーク量として、市町村系は公益財団法人日本容器包装リサイクル協会の調査した数値を用い、事業系は推進協議会が調査、推定を行いました。
国内、海外向けPETボトルのリサイクル量を推計
推進協議会調査による2009年度国内向け回収量311千トンから表1の数値を用いて国内にて再利用される国内向けPETリサイクル量(フレーク)Jを250千トンと推計しました。一方、輸出量Eの338千トンから、国内向けと同様の手法にて海外でのPETリサイクル量(フレーク)Hを261千トンと推計しました。
指定PETボトルのリサイクル率を算出
指定PETボトルの販売量A564千トンを分母とし、PETボトルのリサイクル量Z511千トン(国内J 250千トン+海外H261千トン)を分子として、2009年度リサイクル率90.6%を算出しました。推進協議会は今後とも推計値等の精度向上に努めていきます。
(3)
TOP BACKNEXT
●PETボトルリサイクル年次報告書