5. Recycle(リサイクル)
指定PETボトルのリサイクル率を84.9%と推計
実質的な回収量よりPETリサイクル量を特定
回収率の分子となる回収量B(以下記号は「5.Recycle」の図11を参照)は、環境省公表による市町村分別収集量Cと、推進協議会調査に基づく事業系ボトル回収量Dとからなっていますが、貿易統計より推計されるPETボトル輸出量を十分に包含しているとは言い難い状況が見て取れます。
そこで、より現実的な指標として、貿易統計からの輸出推計量Fと推進協議会調査による国内向け回収量Eとの合計を実質的な回収量として公表してきました。ただ、この実質的な回収量には、キャップやラベル等が含まれており、昨年度より、実質的な回収量から再商品化により得られるPETボトル由来のPETリサイクル量を特定し、それを分子とする指定PETボトルのリサイクル率を推計しています。
PETボトル輸出推計量Fは304千トン
日本から輸出されるPETくずは、2006年1月から貿易統計(財務省)に新設され、把握可能となりました。
2008年度のPETくずの輸出量は361千トンで、そのうち94%が香港を含む中国向けとなっています。
前年度に引き続き、貿易統計値と推進協議会の輸出調査により求めた「PETくず中のPETボトルの割合」とにより、PETボトル輸出量Fを推計しました。
輸出調査での2006〜2008年度通年における「PETくず中のPETボトルの割合」は、84.1%でした。結果、貿易統計のPETくず輸出量に「PETくず中のPETボトルの割合」を掛けた使用済みPETボトル輸出量Fは304千トンとなり、これを回収量ベースでの輸出推計量としました。
表2 PETボトル輸出推計量
(出所)○ PETくず輸出量:財務省「貿易統計」
PETボトルの輸出推計量:推進協議会推計
一方、推進協議会による再商品化事業者を対象とする回収量調査にて、2008年度国内にて再利用される国内向け回収量Eは、245千トンでした。
結果、国内向け回収量EとPETボトル輸出推計量Fをあわせた実質的な回収量は、549千トンとなりました。
回収物からのPETリサイクル物の割合を調査
再商品化事業者は回収された使用済みPETボトルを受け入れ、フレーク等に再商品化します。推進協議会では、指定法人登録事業者を対象に、再商品化のアウトプットとなるPETリサイクル物、キャップおよびラベル他残渣の割合を、(1)市町村系 (2)事業系に分け調査しました。
市町村系23社分、事業系13社分の回答があり、2007および2008年度通年の調査結果より、回収物から得られる PETリサイクル物の割合を求めました。(表3)
図10 PETボトル回収物からPETリサイクル物への流れ
表3 推進協議会調査でのPETリサイクル物の割合
国内向けおよび海外向けPETリサイクル量を推計
推進協議会調査による2008年度国内向け回収量E245千トンから表3を用いて国内にて再利用される国内向けPETリサイクル量Gを217千トンと推計しました。その際、推進協議会での2008年度回収量調査結果である[市町村系64:事業系36]に基づき計算を行いました。
一方、海外にて再利用される海外向け回収量をPETボトル輸出推計量F(表2)として、国内向けと同様の手法にて海外向けPETリサイクル量Hを268千トンと推計しました。
指定PETボトルのリサイクル率Rを設定
指定PETボトルの販売量Aを分母として、PETボトルのリサイクル量を分子とする指定PETボトルのリサイクル率を設定し、2008年度リサイクル率は84.9%と推計しました。(表4)
表4 2008年度リサイクル率の推計値
(出所)○ 指定PETボトル販売量:推進協議会資料
PETリサイクル量:推進協議会推計
千トン未満を四捨五入してあるため計算値があわない場合があります。
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●PETボトルリサイクル年次報告書