1. 2008年度PETボトル回収率
世界同時不況でリサイクルが一時混乱、指定法人追加入札実施
市町村分別収集で指定法人ルートが増加
2008年度の使用済みPETボトル市町村分別収集量のうち、指定法人である(財)日本容器包装リサイクル協会への引渡し量は154千トンで前年度を10%上回りました。
一方、指定法人ルート外の市町村独自処理量は、130千トンで前年度より9%減少し、市町村における独自処理比率は46%と前年度より5ポイント低下しました。(図3)
図3 指定法人引渡し量および独自処理量の推移
(出所)○ 市町村分別収集量:環境省(2009年度は計画量)
指定法人引渡し量:(財)日本容器包装リサイクル協会(2009年度は落札量)
独自処理量:[市町村分別収集量−指定法人引渡し量]
(2009年度は独自処理予定量:[分別収集計画量−指定法人落札量])
2008年度年初の指定法人落札価格が高騰
近年、活発化している中国輸出に端を発した市町村独自処理におけるPETボトルの有償化の影響を受け、指定法人において2006年度より有償入札が認められました。
2008年2月に実施された2008年度の指定法人の入札では、落札量は158千トンで、平均落札単価は−45.1円/kgとなり、有償価格が前年度を大幅に上回り、有償総額は、契約ベースで約72億円となりました。(図4)
図4 指定法人の落札単価と契約ベース有償額
※2008年度有償額は年初落札分。追加入札により価格調整にて減額
世界同時不況でリサイクルが一時混乱
2008年10月以降の世界同時不況のなか、中国等のリサイクル市場が一時混乱し、その影響で、一時的に日本からのPETくずの輸出や市町村独自処理での引取りに支障が生じる等の事態が起きました。
これは、図5の日本のPET樹脂輸入価格にみられるバージン樹脂価格の暴落に伴い、PETくず輸出価格が暴落し、それまでの使用済みPETボトルの高値引取りができなくなったものです。PETくずの輸出量については、11月に前年度比34%減と減少したものの、それ以降は前年度並みにまで回復をしています。(図6)
図5 PET樹脂の輸入価格およびPETくずの輸出価格
(出所) 財務省「貿易統計」
図6 PETくずの輸出量の推移
(出所) 財務省「貿易統計」
2009年1月に指定法人が追加入札を実施
リサイクル市場の混乱のなか、主務官庁の要請を受け、指定法人は2009年1月に期中の追加入札と既存契約分の価格調整を行いました。追加入札の申込量は3,989トンで平均落札単価は+1.14円/kgと逆有償となり、既存契約分を2009年1〜3月にて0円/kgとする調整が行われました。
なお、市町村の指定法人への引渡し量154千トンのうち、2008年4月〜2009年2月分として有償支払額より総額約45億円が引渡しを行った市町村に拠出されました。
2009年度指定法人契約量は204千トンと増加
追加入札に引続き2009年度入札が行われましたが、指定法人への引渡し契約量は204千トンと契約ベースで前年度を約42千トン上回り、史上最高となりました。
入札の結果、平均落札単価は−4.2円/kgとなり、再商品化事業者が指定法人に支払う有償総額は契約ベースで約16億円と前年度を大きく下回りました。
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