Recycle(リサイクル)
2006年度用途別国内再商品化量を調査。総量は189千トン
指定法人ルート量大幅に減少
2006年度指定法人での使用済みPETボトルの引き取り実績量は140千トンと前年度を30千トン下回り、2年連続の減少となりました。これは使用済みPETボトルの有償化に伴い、市町村が指定法人を通さず、他のルートに引き渡す独自処理量が増えているためです。
その結果、再商品化され利用先に受け入れられた再生樹脂の使用数量は、総計106千トンで対前年度比74%と前年を大きく下回りました。これらは以下の用途に使用されています。
繊維製品の需要は最も多く、全体の52%を占めています。
制服・作業服、作業手袋、カーペット、カーテン、傘などのほか、不織布(自動車の内装材、名刺、水切り袋)、遮水シートなどの産業用資材、ごみ置き場ネットなど幅広く利用されています。
シート製品は、主に卵パックや果物、カップめんなどの仕切りトレー、あるいは文房具などとして利用されています。繊維製品に次いで利用されており、全体の39%を占めています。
ボトル製品は、主に化学分解法によるいわゆる「ボトルtoボトル」と呼ばれる食品用の指定PETボトル製品と、マテリアルリサイクルによる洗剤等の非食品用製品として利用されています。2006年度の再商品化量は6.5千トンで、全体の6%を占めています。
成形品・その他では、ハンガー、プランター、文房具、看板、下水道のふた、PETボトル用陳列トレー、あき容器回収ボックス、結束バンド、塗料用原料、分別収集用ごみ袋など多岐にわたっており、全体の3%となっています。
図8●指定法人での引き取り量と再商品化量の推移
(出所)(財)日本容器包装リサイクル協会
2006年度の国内再商品化量調査を実施
推進協議会にて実施している再商品化事業者を対象とする回収量調査では、市町村系と事業系との分類の他に、再商品化物が国内向けか、海外向けかという問いかけを行い、国内向け及び海外向けの使用済みPETボトルの回収量を求めています。2006年度調査では、国内向け回収量が256千トン、海外向け回収量が58千トンとの結果を得ました。
推進協議会では、2006年度国内向け回収量に対応する国内での再商品化量を求めるべく、2006年度を対象とした国内リサイクルに回る用途別再商品化量の調査を初めて実施しました。
本調査は、使用済みPETボトルのリサイクルを行う再利用事業者に対し、フレークやペレットの再商品化物の受け入れ量をアンケートしたものです。
調査の結果、国内の再商品化物受け入れ量は、繊維87千トン、シート70千トン、ボトル14千トン、成形品・その他18千トンで総計189千トンとなりました。
国内再商品化量189千トンを国内向け回収量256千トンで除して求めた再商品化率は74%となり、指定法人での平均的な再商品化率80%には及びませんでした。今後とも国内再商品化量の把握に努めてまいります。
表4●国内用途別再商品化量(2006年度)
用途 再商品化量(トン)
国内総量 うち指定法人ルート
繊維 87,453 55,458
シート 69,677 41,088
ボトル 14,381 6,493
成形品・その他 17,953 3,406
総計 189,464 106,445
(出所) 国内総量:PETボトルリサイクル推進協議会調べ
指定法人ルート:(財)日本容器包装リサイクル協会
『ボトルtoボトル』の再商品化状況
回収したPETボトルを再び食品用ボトルとして使用する完全循環型リサイクルの『ボトルtoボトル』は、内閣府食品安全委員会による安全性に関する審議で食品用容器包装としての使用が認められ、2004年春より商品として店頭に出回っています。『ボトルtoボトル』を展開する再商品化事業者は国内に2社あり、いずれも回収ボトルを破砕後、PET樹脂原料まで化学分解して精製し、再びPET樹脂を作るいわゆる化学分解法で行っています。
なお、欧州では、マテリアルリサイクルを進化させたメカニカルリサイクル手法にて食品用ボトルtoボトルが実用化されている事例もありますが、異物の完全除去が難しいため、この手法は日本では実現していません。
2006年度の化学分解法によるボトルtoボトルの再商品化量は12.6千トンです。この数量は約90千トンある再商品化能力からすると大きく下回っていますが、指定法人ルートをはじめとする原料不足がその原因となっています。
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●PETボトルリサイクル年次報告書