レポート/2004年度PETボトルリサイクル概況
回収率は62.3%と続伸し世界最高水準をキープ

回収率は62.3%を達成
 PETボトルのリサイクルは容器包装リサイクル法のもとで順調に進んできました。2004年度は、精査した事業系回収量81千トンを加えた回収率は前年度を上回る62.3%を達成するとともに、これまでどおり世界最高水準をキープしています。
 日本、欧州、米国の回収率を比較してみます。2004年の欧州は31.5%(推定)、米国は21.2%(推定)で、日本のPETボトルリサイクルが進んでいることは明らかです。
図1●日米欧のPETボトルリサイクル状況比較
単位:千トン
表1(数表) 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年

回収率(%) 9.8 16.9 22.8 34.5 44.0 53.4 61.0 62.3
生産量 219 282 332 362 403 413 437 514

回収率(%) 27.1 24.8 23.7 22.3 22.1 19.9 19.6 21.2
生産量または消費量 1,157 1,364 1,474 1,563 1,709 1,818 1,949 2,101

回収率(%) 10.8 14.1 15.2 16.6 20.7 25.0 30.0 31.5
生産量または消費量 1,701 1,271 1,516 1,705 1,660 1,792 2,040 2,109
(出所)※上の図1、表1とも同じ出所
日本=PETボトル協議会(回収率は2001年度からは事業系回収量も含めて計算した数値)
米国=NAPCOR資料
欧州=PETCORE資料


市町村回収率が初めて減少

 一方、市町村回収率は容器包装リサイクル法がPETボトルに適用後初めて前年度を下回りました。これは、2004年度の指定PET樹脂生産量の大幅な伸び(対前年比117.7%)に比べて、市町村分別収集量が同112.6%と樹脂生産量の伸び率を下回ったためと推定されます。


事業系回収捕捉量は増加
 推進協議会は2001年度から事業系回収量(市町村分別収集以外で回収されている使用済みPETボトルの量)について独自に調査を進めてきました。
 スーパー、コンビニ、自販機、鉄道、高速道路などから主に事業者によって回収され、国内で再商品化または輸出されているものを対象とし、産業廃棄物処理事業者などの協力を得ながら、アンケートによる調査を第三者調査機関に委託して行いました。そこで得られた数量は監査法人の監査を受けています。
 2004年度は前年度を26千トン上回る81千トンが確認されました。資源としてリサイクルされているPETボトルの回収実態の全容を掌握するためにも、事業系回収量の調査・捕捉が重要課題です。
図2●PETボトルのリサイクル概況
単位:千トン(量および能力)
表2(数表) 実績 予測
年度 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年
樹脂生産量 219 282 332 362 403 413 437 514 509
伸び率(%) 127 129 118 109 111 102 106 118 99
市町村分別収集量 21 48 76 125 162 188 212 238 243
市町村回収率(%) 9.8 16.9 22.8 34.5 40.1 45.6 48.5 46.4 47.7
事業系回収量 - - - - 16 32 55 81 -
回収率(%) - - - - 44.0 53.4 61.0 62.3 -
再商品化能力 18 30 47 102 155 247 292 311 315
分別市町村数 631 1,011 1,214 2,340 2,617 2,747 2,891 2,418 -
(出所)※上の図2、表2とも同じ出所
樹脂生産量は、指定PETボトル用樹脂の生産量。PETボトル用樹脂生産量・伸び率はPETボトル協議会資料。
市町村分別収集量・分別市町村数は環境省資料。2005年の分別収集量は計画。
事業系回収量はPETボトルリサイクル推進協議会の調査で確認できた分の数値。
再商品化能力は経済産業省資料。
市町村回収率、回収率とも分母はPETボトル用樹脂生産量。千トン未満を四捨五入してあるため、数値が若干上下している。
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●PETボトルリサイクル年次報告書