自治体のリサイクル事例紹介
 全国の各市町村において、資源循環型社会の構築に向けたさまざまな取り組みが行われています。ここでは、政令指定都市の名古屋市と北九州市における分別収集およびその品質向上への取り組みを紹介します。
政令指定都市「名古屋市」の分別収集によるごみ減量と
資源化への挑戦
■いち早く容器包装リサイクル法による分別収集を開始

ごみ排出状況を視察する松原市長
 2001年度にゴミの分別収集を実施している市町村は日本全体の80%、人口比で90%程度になったと言われています。これは資源循環型社会に向けて、国や市町村をはじめ住民等の関係者が一体となって取り組んできた成果の表れだと思われます。
 その一例として、政令指定都市である名古屋市の場合を紹介します。
 名古屋市は1999年に「ごみ非常事態宣言」をしてごみ減量に取り組んできました。
 藤前干潟を予定していた埋立て処分場が建設不可となったという経緯もありますが、ごみを減らし、資源として活用できるものはできるだけ活用をしようという主旨で、2000年に8月から容器包装リサイクル法による分別収集を開始しました。これは、政令都市としては初めての取り組みでした。

名古屋市民に分別収集を理解してもらう
ために作成したパンフレット類
 名古屋市の環境局が中心となってその準備活動に精力的に取組みました。「ごみの達人 心得帳」というパンフレットを作り、住民へ配布し、町内会での説明会や広報誌だけでなく、ラジオ・TV・ビデオを使うなどして事前の説明も十分に行いました。
 PETボトルについては、2001年からはスーパー等での拠点回収からステーション回収に変更し、収集量は前年の数倍になっています(2001年からはさらに各戸回収に変更し、回収頻度もアップしています)。
 スタート当初は何に分別すればよいのかという問い合わせが多かったそうですが、1年が経過すると分別収集は定着化して、市民の関心は自分たちが分別したものがどのようにリサイクルされているかに移ってきているそうです。
 ごみ減量の成果も上がっており、1998年には100万トンを超えていたごみも、2000年には80万トン弱に減ったそうです。
 また、不法投棄に対しては郵便局やタクシー協会にも協力をしてもらい、監視や通報体制も作り上げて防止を図っています。
 このように200万都市「名古屋」の循環型社会構築への挑戦は続いています。
《推進協議会の広報誌『RING』の取材(2001年7月)および名古屋市ホームページより http://www.city.nagoya.jp/