自治体のリサイクル事例紹介
政令指定都市「北九州市」の分別収集品の品質向上への取り組み
■「缶・PETボトル」と「缶・ビン」に分け、収集品の品質を向上

北九州市の「総合環境コンビナート」に
立地する西日本PETボトルリサイクル(株)
 分別収集されたものがリサイクルされて再利用されるには、収集されたものの品質が重要になります。さまざまなものが混じってしまったものを後から分別するよりも、最初から分別をきちんと行い、汚れや異物も取り除いておいたほうが、リサイクルのための効率からみて有利なことは言うまでもありません。
 リサイクル工場ではさまざまな異物を除去する工程がありますが、量が多いと完全に取り除けないことがあります。
 PETボトルの場合には、ガラスの破片等が混入すると品質が低下して再利用される工程でトラブルが起き、製品の品質も低下してしまいます。
 北九州市は人口100万人の政令指定都市ですが、この分別収集品の品質改善問題に積極的に取り組んでいます。
 北九州市では、資源物の具体的な収集法を「缶・ビン・PETボトル」の3種混合から「缶・PETボトル」と「缶・ビン」の2種混合に変更しました。
 これにより、PETボトルにガラスの混入を防ぐことができます。
 この分別収集を2002年1月から実施するに当たって、PETボトルを含む資源化物の排出方法も改めてPRをしました。
 大都市ですので、町内会を通じての啓発の他に、町内会組織に未加入の賃貸マンション・アパートの各戸や大学、収集指定袋販売店等にも環境局作成のリサイクル情報誌を配布して分別収集の変更や排出ルールの徹底を図りました。
 PETボトルについては「キャップを外し、中をすすいで、つぶして出す」ことを特にお願いしています。
 北九州市の資源化物収集の市民へのお願いは、(1) 市民に分かりやすく、負担をなるべく少なく、(2) 分別収集されたもののリサイクルルートの確立、が前提となっています。
 現在は2種類の分別収集ですが、今後はさらに分別数も増やし、ごみを減らしながら資源としての活用を促進させる方針です。
 2001年に開催された『北九州博覧祭』では「環境ミュージアム」パビリオンが10代から70代の幅広い市民の環境ボランティアの協力を得て運営されました。
 この「環境ミュージアム」は2002年4月にリニューアルオープンし、市民のための環境学習・交流総合拠点施設となっています。
 北九州市は「環境未来都市」を目指して市民・行政・事業者・大学等と連携を深めています。
《当推進協議会の広報誌『RING』の取材(2002年1月)および北九州市ホームページより http://www.city.kitakyushu.jp/
(出所)○(財)日本容器包装リサイクル協会
評価ランクは「PETボトルベール品の検査方法」に基づく判定結果による。なお、判定方法は、2000年度から検査項目の評点合計によりランクづけするなど若干変更している。
調査実施率は、各年度の協会との契約数との対比である。
調査は、協会委託再商品化事業者(2001年度=51社、2000年度=41社、1999年度=36社、1998年度=28社)が各担当市町村など立ち会いのうえ実施している。
評価ランクに基づき、市町村などへは以下の対応を依頼している。
A:現在の品質の維持 B:検査項目ごとの判定結果を参考に品質向上
D:改善対策の計画の策定と実施および改善計画書の協会提出