各国のPETボトル回収率比較
 PETボトルのリサイクルは、現在世界の44カ国で実施されていると推定されています。
 推進協議会では、各種資料を整理し、そのうち35カ国について2000年のデータを入手しました。生産量または消費量10万トン以上の国について、下表で紹介します(表-1)。
 35カ国合計の回収量は935千トンとなり、推定される世界の回収率は20.2%となっています。
(表-1)各国のPETボトル回収率比較(2000年)
 
米国の回収率が低下している原因は?
 米国は1977年より、世界でもいち早くPETボトルのリサイクルを始めています。現在でも最大のリサイクル国であり、その回収量は2000年で356千トンと、日本の全消費量に相当する分を実際に回収しています。
 ところが、そうしたPETボトルリサイクルの先進国である米国において、回収率が年々低下しています。その原因は、いったいどこにあるのでしょうか?
 米国PET容器資源化協会(NAPCOR)によると、回収率低下の原因は次のように説明されています。
1. 再生事業に価格インセンティブが働かないこと(再生事業者が輸入樹脂やオフスペック品、輸入再生PETによる価格圧力にさらされて、価格差が縮小し、再投資が困難となっている)
2. サイズの多種類化などにより、家庭で利用されている大型ボトルと違ってリサイクルに回りにくい小型ボトルが増えていること
3. 自治体のリサイクル予算削減
4. 国としてのリーダーシップ不足、不十分な消費者教育、消費者の無関心。
(図-1)米国のPETボトル回収率推移

(出所)NAPCOR資料