トピックス
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帝人ファイバー(株)・徳山事業所の
PETボトルリサイクルプラント
1.化学分解法がスタート ボトルtoボトルはいよいよ実用化へ
■2002年度から始動し、ボトルtoボトルは2003年度から
 2001年5月、従来の手法に加えて化学分解法が再商品化手法として公的に認められました。これを受け、2002年度から能力30千トンの化学分解法で回収PETボトルを処理し、繊維等の原料に戻すプラントが立ち上がり、その延長でボトルtoボトルの実現に向けた動きが現実化してきました。
 帝人ファイバー(株)の徳山事業所では、年間60千トン規模の回収PETボトル(500mLボトル約20億本分)を原料に、ボトル用のPET樹脂を年間50千トン規模生産する新しい工場が2003年10月から操業開始します。
 この工場では回収ボトルを化学的に分解して、DMT(テレフタル酸ジメチル)とEG(エチレングリコール)という物質として精製し、DMTをさらにボトル用PET樹脂の原料である精製TPA(テレフタル酸)とするものです。
 作られたTPAとEGを同工場内の重合プラントでボトル用PET樹脂にすることで、再びボトルに生まれ変わります(下図)。
■純度は石油から作った原料と同等
 同社の化学分解法の利点は、回収ボトルを分子レベルに分解し精製することにより、石油から製造するPET樹脂原料と全く同等の高純度原料にすることができるところにあります。
 結果として、この原料から作られるPETボトルも、現在流通されているものと同様、清涼飲料、しょうゆ、酒類などの用途にも対応でき、かつ成形性も品質もまったく変わらない、透明できれいなボトルになります。
 衛生・安全性についての最終確認が終わり次第、ボトルtoボトルが実用化となります。
 従来のマテリアルリサイクルに、新しくボトルtoボトルが加われば、PETボトルのリサイクルが今まで以上に強固なものになります。
ボトル to ボトルの実現に向けた化学分解法のフロー
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※ナフサ=原油の蒸留によって得られる石油化学粗原料