RING PETBOTTLE RECYCLING
容リ法の趣旨に立ち返って、持続可能な“循環の輪”を。
株式会社丸幸は1983年に古紙の回収から事業を開始しました。産業廃棄物、一般廃棄物などの回収をへて、1997年の容リ法の施行とともにPETボトルの再商品化処理事業を行うようになりました。当初は、どこの事業者もPETボトルのリサイクルに関しては試行錯誤の連続で、手探りの状態で用途開発や再資源化の技術開発に心血を注ぎました。

2002年4月に、千葉栄工場を竣工。「これからはフレークの品質・グレードが問われる時代になってくる、と判断し最新の機械設備を導入しました。もちろん、まだまだ需要の増える業種であるとの展望のもとに、処理能力を6,600トン(容リ協査定)に設計したのです」と語る渡邉社長です。
破砕したPETボトルは水洗浄されます。当社は、環境への負荷を配慮して水洗浄を行っていますが、洗浄、分離工程を増やすなど、長年の培ったノウハウを駆使して薬品洗浄した製品と変わらない程の高い品質を維持しています。納入先のお客様からも品質と異物混入の少なさに高い評価をいただいています」(関谷業務部課長)。「フレークの品質の高さが重要になる」と語る3氏
リサイクル工場としての環境保全対策は、随所に見られます。遮音壁による騒音防止、洗浄水を処理してリサイクル水として再利用、電気式フォークリフト使用による排ガス・CO2の排出抑制、天井からの採光による省エネ・・・。この工場の特徴は高品質な製品はもちろんのことですが、もう一つは環境を配慮した設備機器だけでなく、社員全員が「整理・整頓・清掃・清潔」を心がけて常に工場内にゴミひとつ落ちていない清潔な状態を保っていることです。「“こんなにきれいな工場だとは思わなかった”と工場見学に来られた市民の皆さんや環境学習の子供たちに言っていただけると、本当にうれしいですね」(木村工場長)。

「私たちは、PETボトルの用途開発や再資源化の技術開発に努力を重ねてきました。また、工場見学等を通してきれいなボトルの排出への啓発を呼びかけています。それがやっと実を結び始めてきた矢先に、ボトル(原料)不足という非常に厳しい状況に追い込まれています。一日も早く容リ法の趣旨に則った“循環の輪”が完成することを願っています。市町村から分別収集されたPETボトルが、きちんと容リ協ルートに乗ることによって、次世代へ繋がる持続可能なリサイクル社会が実現できるものと思っています。今は将来の展望が持ちづらい状況です。しかしPETボトルリサイクルへの熱い思いは変わりません。」と語る渡邉社長です。
(取材:RING編集委員)
代表取締役社長 渡邉 均 氏
業務部課長 関谷昌男 氏
千葉栄工場 工場長 木村武史 氏
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