RING PETBOTTLE RECYCLING
資源循環型社会形成を目指して
「チケット制」「サンデーリサイクル」でごみ減量とリサイクルの努力
長野県長野市
市民に配布されるごみ指定袋購入チケット
 雄大な千曲川が流れる長野市は人口38万人。PETボトルの分別回収は1996年から始まりました。PETボトルは市内約3,500ヵ所の集積所に用意されたPETボトル専用の緑色のネット(PETボトル再商品化製品)に月2回排出されます。専用のパッカー車で単品収集しています。2004年度の回収量は約726トンです。排出に際しては、・キャップとラベルを取り ・中をすすいで ・つぶして出すようにお願いしています。「PETボトルの回収を始めて10年近く経っているので、この方法はかなり定着しています。キャップやラベルもきちんとはずしていただいています」と竹村係長は語ります。
 長野市では、家庭のごみを出す指定袋は、市から毎年1冊配られるチケットと引き換えに購入します。一世帯につき年間200枚まではスーパーなど小売店で購入できますが、足りない場合は、市の窓口でごみ処理手数料を含めた価格で追加購入する二段階方式です。袋の枚数を制限することで、ごみの排出量を意識してもらい、減量への協力と資源のリサイクルを呼びかけています。
 さらに、市では「サンデーリサイクル」を行っています。これは日曜日の10:00〜13:00まで、スーパーの駐車場に収集車を派遣し、家庭から出たPETボトル、びん、缶などの拠点回収です。定期回収(朝8時まで)に出せなかったものを、買い物ついでに出せるようにしています。(2004年度は約10kg入りのネットで1,482袋のPETボトルを回収。)2004年には、長野市清掃センターに「プラスチック製容器包装圧縮梱包施設」が完成しました。1日の処理能力は、PETボトルとプラスチック製容器を合わせて20トン。ベールの状態で、(財)日本容器包装リサイクル協会のルートに処理委託しています。
PETボトル再商品化製品のネットで回収
チケットの仕組みを語る竹村係長
スーパーの駐車場でのサンデーリサイクル
■「もったいない」は、3Rの原点
 清掃センターに移動し、環境学習に訪れていた50人ほどの小学生と一緒に施設見学をしました。みんな熱心にメモを取りながらも、ごみをいっぱいつかんだ大きなクレーンを自在に動かす「クレーン操作室」、圧縮梱包されたベールが 積み上げられている「PETボトル成形品ヤード」などを見て、焼却されるごみや、リサイクルに回されるPETボトルの量の多さに目を見張っていました。
 ビデオを見た後の質疑応答では、長野市から1年間に出るごみの量、燃やすときの温度、パッカー車の台数など活発な質問が次々と飛びました。今回も当協議会委員の着ているスーツやネクタイがPETボトルの再生品であることを説明すると、目を輝かせて集まってきました。クレーンの動きを見学する小学生
 「3R(リデュース、リユース、リサイクル)のことを、日本では昔から「もったいない」という言葉で表現してきました。年間で1,000人以上の子供たちが見学に来ますが、みんなに「もったいない」の精神を持ってもらいたいという気持ちで説明をしています」と中村主査。難しいリサイクルの話も、わかりやすいたとえ話に置き換えてくれるので子供たちも、熱心にうなづいていました。

(取材:RING編集委員)
長野市環境部環境第一課 係長 竹村 直高 氏
長野市環境部環境第一課清掃センター管理係長 鈴木 隆 氏
同係主査 中村 元樹 氏

長野市ホームページ
http://www.city.nagano.nagano.jp
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