RING PETBOTTLE RECYCLING
分別収集の見直し<北九州>
産・学・官・民の連携で進めてきた町づくり
 かつては、ものづくりの町として日本の高度成長を支えてきた一方で、深刻な公害問題に苦しんだ人口100万人の北九州市。産・学・官・民の連携によって公害問題を克服し、その過程でつちかった環境に対する意識の醸成と環境に関する技術、ノウハウ、人材を活かして、町づくり、環境産業の事業化、環境国際協力を積極的に進めてきました。「北九州ルネッサンス構想」や「アジェンダ21北九州」を掲げ、北九州エコタウン事業の展開、また一昨年はアジア・太平洋環境大臣会議の開催地として大役を果たし、環境先進都市として注目を集めています。
北九州エコタウン総合環境コンビナート
北九州エコタウン 総合環境コンビナート
1ヶ月に約1万人の見学者が訪れる
市民に負担をかけない資源化物収集
かえるプレス
 北九州市は、混合収集による汚れや異物(とくにガラスの破片)の付着で、PETボトルのリサイクル原料としての品質が低下する問題を改善するため、今年の1月より収集方法を見直し、「缶・ビン・PETボトル」の3種混合で収集していた資源化物を、「缶・ビン」「缶・PETボトル」の2種混合に変更しました。ごみの分別数を見ると決して多い方ではありませんが、北九州市は(1)市民にわかりやすく、なるべく負担をかけないこと。(2)分別収集されたもののリサイクルルートの確立。が大前提だと考えています。 そのためリサイクルルートの確立を見極めた上で順次分別数を増やしていく方針です。
 今回の分別収集の見直しは、品質向上を目指して行うため、分別変更のPRとともに、PETボトルの排出方法については「キャップを外し、中をすすいで、つぶして出す」のマナーアップを強く呼びかけています。そんな中、大都市の問題である町内会未加入者対策として、賃貸マンション・アパートの各戸、大学、指定ごみ袋・粗大ごみ納付券取扱い店などに環境局発行のリサイクル情報誌を配布するなど周知徹底を行っています。浸透するまでしばらくは全ステーションの排出状況について調査し、排出状況の悪いステーションには個別指導を行う予定です。
活動の中から育つ人材
 平成10年7月より一般ごみ排出を有料指定袋制に変更した際には、早朝指導で職員の他に市民ボランティアが10,200人参加し、初日にして指定ごみ袋率99%という好成績を残し、市民の意識の高さを実証しました。
 また、昨年行われた『北九州博覧祭2001』では、10代から70代という幅広い年齢層で構成された環境ボランティアによりパビリオン「環境ミュージアム」が運営され、来館者数45万人以上を迎え終了しました。博覧祭終了後もここで得た知識と行動力を活かした、環境活動のリーダーとしての活動が期待されています。過去、博覧会のごみの量が一人あたり300gだったのが、今回は70gに抑えられるなどゼロエミッションを目指した成果も見られました。今後はさらに市民・事業者・大学・行政の連携を深め、「環境未来都市」づくりに向けたさらなる資源化・減量化の促進、環境教育学習の推進、環境産業の推進を目指しています。
(北九州市環境局 業務部業務課 香月慎二第二係長 
総務部計画課 吉村知泰計画係長)
http://www.city.kitakyushu.jp/~k2602010/index_2.html
(取材 RING編集委員)
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