回収促進の取り組み
海外調査/欧州PETボトルリサイクル最新情報
2005年12月、国際会議に出席
日本のPETボトルリサイクルは、回収率で欧州や米国をリードするなど世界的にも進んでおり、推進協議会は、この成果を2005年12月にアムステルダムで開催された国際会議『POLYESTER & PET CHAIN, POLYESTER2005』で講演しました。
推進協議会の講演では、日本のPETボトル産業の状況、PETボトルのわが国における回収率などについて紹介し、『2014年度回収率80%以上』の長期目標を宣言しました。さらにトピックスとしてホット飲料用ボトルとボトルtoボトルについて取り上げ、ホット飲料用ボトルの最新技術と市場動向、リサイクル性などについて報告しました。ボトルtoボトルについては帝人グループの現状に触れ、2005年度は容リ協会ルートからの回収ボトルが入手できず操業停止に追い込まれるなど苦戦しましたが、それでも2004年4月の販売開始以来約2年間で、累積42千トンのボトルtoボトルの樹脂が販売されたことなどを紹介しました。
講演には、日本が短期間のうちに60%を超える回収率が達成できた理由や、ボトルtoボトルの詳細などについて多くの質問が出され、日本のPETボトルリサイクルが世界的にも大いに関心を集めていることを実感しました。
欧州では中国への輸出抑制やデポジット制を推進
国際会議出席にあわせて欧州各国のPETボトルリサイクル関連機関・企業やPETボトル入りビールを製造するビールメーカーなども訪問し、欧州での最新情報を聴取しました。
日本では回収されたPETボトルが中国へ大量に輸出され、国内の再商品化事業者等への影響が懸念されていますが、欧州でも同様な動きがありました。欧州全体のPETボトルリサイクルを統括する機関であるPETCOREは、欧州内のリサイクルの仕組みを守るため回収業者や小売業者に働きかけ、2003年度実績で全体の22%にも上っていた中国への回収PETボトルの輸出を2004年度には19%まで抑制しました。
ドイツでは、ミネラルウォーター、炭酸飲料、ビールに0.5L未満で1本あたり0.5ユーロ、1.5L以上で0.25ユーロのデポジットを課し、使用済みPETボトルの回収を促進する政策をとっています(2006年5月からは容量にかかわらずデポジット料金は一律0.25ユーロとなりました)。使用済みPETボトルを小売店に戻せばこのデポジット料金が戻ってくる仕組みです。小売店には自動回収機が設置されているところもあります。
回収されたPETボトルは民間が運営する専用の選別センターで色別・種類別に効率よく選別されていました。
また欧州ではビールがPETボトルに充填されて販売されている例が見られました。西欧で約2%〜3%、東欧やロシアでは30%〜40%程度までビールのPETボトル化が進んでいるとのことでした。
国際会議POLYESTER2005での発表シーン
ドイツのスーパーで販売されていたPET入りビール
スイスの選別センターで撮影。着色ボトルが効率よく分別されています
ドイツのスーパーに設置されていた自動回収機
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●PETボトルリサイクル年次報告書