特集 PETボトルリサイクルの30年
2. 指定PETボトルの自主設計ガイドライン
PETボトルはしょうゆや清涼飲料水を販売するための容器です。当初、炭酸飲料は強度のために底にベースカップがあり、緑茶飲料などは酸化防止のための着色ボトルが利用され、ボトルとキャップの整合性を高めるためのアルミキャップなどが使用されていました。
ただ、これらがリサイクルの弊害となっており、リサイクルしやすいPETボトルの基準策定がPETボトルのリサイクルを進める上で必須でした。そこで、1992年、当時の通産省、農水省および大蔵省の指導のもと「PETボトルの自主設計ガイドライン」が飲料用、しょうゆ用に制定されました。
1993年に「再生資源の利用の促進に関する法律(再生資源利用促進法)」の政令改正により、PETボトルは第二種指定製品に指定され、飲料、しょうゆ、酒類用PETボトルには、識別マークの表示が義務付けられました。以後、技術革新を続け、また法の制定、改正に合わせ「指定PETボトルの自主設計ガイドライン」も常に改訂を実施してきました。


リサイクルのポイント
- ●指定PETボトル:清涼飲料水(乳飲料は2002年から)、指定調味料(しょうゆ、しょうゆ加工品、みりん風調味料、食酢・調味酢、ノンオイルドレッシング、アルコール発酵調味料)、酒類、食品用途でかつ水で簡単に洗浄できる中身を入れるPETボトル製品だけに限られています。中身がシャンプーやリンス、化粧品などの入っているPETボトルは指定PETボトルではありません。このように回収された指定PETボトルが、リサイクルしやすい設計になっているため、日本のPETボトルのリサイクル率は世界最高水準となっています。
- ●再利用適性評価:繊維用、シート用、ボトル用(ボトルtoボトル含む)があり、すべての評価基準に適合しなければなりません。
- ●リサイクル率:2021年度日本(86.0%)、米国(19.6%)、欧州(42.7%)。
圧倒的に日本が高いです。法律による規制と「PETボトルの自主設計ガイドライン」が寄与しています。
- ●自主設計ガイドライン不適合品の調査:日本で製造されているPETボトルは、自主設計ガイドラインを遵守したものがほとんどですが、海外からの輸入PETボトルには着色ボトルなどがあります。当協議会では年2回着色ボトルなどガイドライン不適合品の調査を行い、不適合品には書面で改善のお願いをしています。
- ●容器包装リサイクル法:1980年代より廃棄物が増大し、最終処分場のひっ迫など問題となり1995年に成立。1997年からPETボトルが対象となりました。2000年に完全施行され、再商品化の義務を負う特定事業者(容器包装の利用事業者、容器包装製造業者)の範囲も拡大され約30,000社になりました。