PETボトル資源循環にチャレンジする企業

新ラインが稼働 ボトルtoボトル品質へ

株式会社なかの

　なかのは、自販機やオフィスの事業系の中間処理を東京23区を中心に行っています。取引先の需要増加に対応し今年4月に1億5,000万円を投資して設備をリニューアルしました。処理能力を既存の3.8倍、1日26トンに増強。一方でボトルtoボトル品質を実現するために最後は人の目でチェック。品質向上にも取り組んでいます。
　選別施設は清涼飲料水の糖分や酸などから老朽化が早く、定期的な更新が必要です。今回の大規模投資は、需要増加への対応ですが、その処理能力については夏と冬で最適バランスを考えた結果です。処理能力の増強は機械化を進めた結果で、特にPETボトル・アルミ缶・異物の3種に選別する光学式選別機は都内で数社目の導入です。設備ラインは独自設計。資源化した量の半分が、PETボトルのベール。リサイクラーへ販売しています。
　また同社の特徴は、同業者が集う地域だからこそのBCPネットワークを構築しています。

健常者と障がい者が連携プレー

ベストトレーディング株式会社

　ベストトレーディングは障がい者（聴覚障がい者、知的障がい者）雇用に積極的に取り組んでおり、40名の従業員の内、18名が障がい者です。障がい者が、健常者と同等の職業能力の開発を行い、特性にあわせた適材適所への配置やコミュニケーションにより、障がいを克服しています。工場長など責任のある仕事に就くことによって社会的地位の向上も実現しています。
　今夏、現状の2倍となる1時間に5トンを処理できる施設へリニューアル、そのラインは業務提携を行ったガラスリソーシングの考え方を踏襲しています。
　大きなマーケットである神奈川にあり、その需要増加へ対応します。工場地区であり24時間稼働が可能なことも処理量を増加できます。現状は二勤、最盛期は三勤で選別を行っています。
　収集運搬は、拠点回収と、自販機リサイクルボックスからの直接回収があります。今、力を入れているのが現場の気づき事項のフィードバック。同じリサイクルボックスから同じルートで回収しているからこその変化があるそうです。
　さらに同社は地元、厚木市が回収したプラスチック容器、給食の牛乳パックの処理も行っていますが、さらに古着を取り扱い品目として増やす予定です。PETボトルの次は、古着のリサイクルが注目されると見ています。

ベールからAフレーク^※に加工、リサイクラーへ

新南株式会社

　新南は、中間処理事業者から持ち込まれるPETボトルベールからフレークへ加工する2ライン、キャップ、ラベルが混在するフレークからＡフレークへ加工する1ライン、計3ラインで1日40トンの処理能力を誇るプラントを有する会社です。1994年の設立当初は海外への輸出がメインでしたが、中国の廃プラの輸入禁止などから国内加工へとシフト。2019年6月に神奈川工場を建設しました。
　プラントでは、ベールを開梱、異物を除去し、粉砕と洗浄を重ねフレーク化。この際に比重選別水槽でキャップと異物を除去。高速脱水機で水分を２％以下にした後、風力選別機でラベルを分離するなど、同社ならではの技術を駆使しています。Ａフレークに加工した製品は600kg単位でフレコンバック詰めにして、リサイクラーへ販売しています。原料は関東の事業者と容リルートからも入荷、加工したものはボトルtoボトル、トレー、シートなどに活用されています。
　他にもキャップのペレット化や、リサイクルに関わる環境機械の製造、販売も行い中間処理の事業にも貢献しています。

※Aフレークとは、キャップ、ラベルを除いたきれいなフレークです。