特集
PETボトル資源循環の入口
市町村が回収する使用済みPETボトルに比べ品質の落ちる事業系のPETボトルは、中間処理業者によりリサイクル原料まで加工された後に海外へ輸出されることが主でしたが、2018年の中国政府による廃プラスチックの輸入禁止を契機に国内循環へ舵が切られました。これまで再商品化事業者は自治体の(公財)日本容器包装リサイクル協会(以下、容リ協)からのベール、独自ルートのベールを原料にしていましたが、ここに事業系が加わったのです。
一方で、技術革新により水平リサイクルのボトルtoボトル(PETボトルからPETボトルへ)が可能となりました。清涼飲料各社が相次いで目標数字を公表、この数字を実現するためには、キレイなPETボトルが必要であり、事業系の回収品質の向上が必須の課題となりました。
事業系は、中間処理事業者がPETボトルの資源化の役割を担っています。自販機横に設置しているリサイクルボックスや、オフィスなど事業所、レジャー施設などでPETボトル・缶・びんの3種混合で集めたものを中間処理事業者が各現場から回収。処理施設にて選別、ベール化してリサイクル原料としてリサイクラーへ販売することで、資源として流れています。
ここでの課題が、回収品質の向上です。回収したものの中に異物が多く混入しており、これが大きな問題となっています。選別を大変にするだけでなく、異物がPETボトルの高度なリサイクルの妨げになるからです。
清涼飲料各社は、PETボトルが資源であること、キレイなPETボトルを回収することでより高度なリサイクルが可能となることなど、回収品質の向上でリサイクルが促進できることの啓発活動に取り組んでいます。